「ああ、『登竜門』の語源ですね」

「試練は人を潰しもするが、強くもする。大丈夫だ」

　アマビエさんがいつになく、真面目な口調で言った。

「強くなりますかねえ」

「ならん奴は置いていく」

　スパルタだった。

「はは、じゃあついていきますよ」

「うむ」

　アマビエさんは、そう言うとまた潜った。

「ダメですって」

　ここにいるとどうしても潜りたくなるようなので、アマビエさんを他所に移動させることにした。

「あ、ここいいですね。入りましょう」

　壺のような湯船があるため、そこに誘導した。ジャストフィットで顔だけ出ており、かわいらしい。

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