第147話 アマビエさん、懐かしむ

「こ、この借りはいつか返す!」

「期待しないで待っていよう」

「くそおお!!」


 真っ赤になるアマビコさんをよそに、アマビエさんは飄々としていた。


「それにしても、古典的な方法だな」

「乳鉢と乳棒ですからね」


 硬い石のような素材で作った鉢に錠剤を入れ、棒で潰す。きっと江戸時代でも、同じことをしていたはずだ。


「これは機械にしないのか」

「専門のは高くて」


 安価なコーヒーメーカーで試してみたこともあったが、微細な粉が羽の間に詰まってしまい、すぐに使えなくなった。


【薬局あるある】シンプルなのが、いつの時代も強い。

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