第146話 アマビエさん、ツンデレ

「錠剤には、苦味や刺激を和らげるためにコーティングしているものがあります」


 潰すと、その防壁はあっけなく壊れてしまう。浮き上がった成分を吸い込むと、混じりっけ無しの味や匂いが体験できるというわけだ。


「油断した……離れていよう」

「仕方無い奴め」


 しっかりマスクをしているアマビエさんが笑う。


「耳がないのは俺のせいじゃない!」

「ならこうすれば良い」


 アマビエさんは髪からバンダナを出し、アマビコさんの顔を覆った。


「貴様……」

「これでアマビエの方が優れていると分かったろう」


【薬局あるある】飛沫対策にマスクは欠かせない。

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