第134話 アマビエさん、愛が深い

「ミス?」


 薬局長が、怪訝な顔をして寄ってきた。


「アマビエさん、薬が変わる話はありましたか」

「全然」

「なら入力じゃなくて、ものの間違いだなあ……ゾルピデムとゾピクロン、逆になってるよ」

「ああ、僕もたまにやりそうになるなあ……」

「薬局長はそんなことしない」


 相変わらず、愛されている薬局長であった。


「説明しろ。どういうことだ」

「似てる名前の薬が、間違えて入ってるんですよ。こういうことを防ぐために、基本二人がかりでチェックするんですけどね」


【薬局あるある】薬を用意する人とチェックする人は、だいたい別。

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