第130話 【番外編】アマビエさん、覚醒

「ふはは! 見よ、この動き!」


 アマビコさんは、三本の足をフルに動かしクロールのように泳ぐ。プロでも追いつけるか分からないほどの速度で、五十メートルを泳ぎ切った。……周囲から悲鳴があがるほど怖いが、腕前は見事である。


「アマビエ! やはり偽物だな!」

「……あのう、アマビエさんはもうゴールしてますけど」

「なぬ!? そんなはずは」


 上から見ているとよく分かる。水しぶきをあげるアマビコさんに対し、アマビエさんは潜ったまますいすいと滑るように動いていた。


「水の流れに逆らわぬ……ならば、余計な体力を使うこともない」




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