第131話 【番外編】アマビエさん、達人と化す

 アマビエさんの目にもはや怒りはなく、晴れた日の太平洋のように凪いでいた。格の違いが、僕らにもはっきり分かる。


「くそっ……これが、天才と凡才の差か……」

「ふははは」


 今度はアマビコさんが、自信を失って崩れ落ちた。人間たちはことの納め時とみて、目配せを交わす。


「まあ、一勝一敗同士ってことでいいんじゃない?」

「そうそう。どっちもいいとこがあるってことで」

「僕らにとっては、お二方ともありがたいですよ」


 アマビエさんとアマビコさんは、無言でにらみ合った。


「まあ」

「今日は」

「そういうことにしておくか」

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