第122話 【番外編】アマビエさん、忘れてないよね

 聞き覚えのある声がした。からかわれたアマビエさんの目が、三角につり上がる。


「その声は……」

「ふふ、太ってからジムに来る未熟者が」

「誰だっけ?」


 アマビコさんが、腰から崩れ落ちた。


「アマビエさん、アマビコさんですよ」

「てめえと一文字違いだよ、なんで忘れてんだ!?」

「そうだっけ?」


 アマビエさんは、フクロウのように真横まで頭を傾けている。


「あなたは何故ここに?」


 アマビコさんには食指が動かないのか、センセイが冷静に聞いた。


「俺はプロ会員だ」

「いつでも来られる、一番高いやつだよ」


 妹の説明で、アマビコさんが反り返る。

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