第117話 【番外編】アマビエさん、おののく

「広いね!」


 十分スポーツができそうなホールに、狭い机が何百もひしめいている。その間を、ぎっしりと人が埋めていた。


「想像以上だなあ」

「それは、ほんの一部分。大規模イベントになると、こんな部屋がいくつもあります」

「ええ!?」

「そこを高速で移動し、並ばなければ神絵師や神手芸師のグッズは手に入りません」

「そ、そうなの……」


 僕が思っていた以上に、厳しい世界だった。アマビエさんも、センセイの迫力に押されて棒立ちしている。


「だから、何よりも必要とされるのは体力。推しのためなら、試練だって越えますよ」


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