第115話 【番外編】アマビエさん、おののく

(でも、どんなジムなんだろう)


 会話の端っこにあがったため、妹たちがジム通いをしていることは知っている。だが、現場を見たことは一度もなかった。


(おしゃれな建物だったら、場違いだなあ……)


 裾がすりきれたパンツで出てきたことを後悔し始めた時、坂が終わった。


「あそこあそこ。看板が見えるでしょ?」


 妹の指先には、マッチョな巨漢が前屈みになっている立て看板がある。


「え? あれ? 明らかにガチそうなんだけど」

「うん。世界のマッチョ御用達、ゴールディジムだよ」

「お前そんなとこに通ってたの!?」


 知りたくなかった事実だった。

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