第104話 アマビエさん、不在中③

「顆粒は早いんだけどね。粉質の差が大きいな」


 落ちる速度は自分で調節することができる。しかしあまり早すぎるとムラが出るため、兼ね合いが難しい。


「僕、どうしても遅めにしちゃいますね……心配で」


 そのせいで、薬局長より調剤が遅くなってしまう。克服しなければいけない課題だ。


 薬局長は、それを聞いて腕を組んだ。


「どうやってるのか、見せてもらっていい? ほら、そこの乳糖(薬剤としての効能はないが、かさ増しや分包機洗いによく使われるブツ)で」

「わかりました」


【薬局あるある】分からないときは先輩に聞くのが近道。

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