第16話 アマビエさん、覗いてみる

「絡繰ですよ。江戸時代ならあったでしょ?」

「つるりとした表面が気にくわない」


無事、むずがるアマビエさんを機械の前に案内した。


「パソコンに処方内容を入れると、どこに何をまくかを機械が計算してくれる。あとは指示通りにやればいいんです」


機械には薬を入れるくぼみがついている。ここの底が開いて、裸の錠剤が落ちていくのだ。


「見てみます?」

「うむ」


ボタン一つで開閉する底を、アマビエさんは興味深そうに見ていた。


「正確に出るのか?」

「はい、勿論」

「ヤクザ、いらなくなるな」

「心をえぐらないで」


【薬局あるある】機械は賢い。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る