第3話 アマビエさん、脅す

「……これで、いかがでしょう……」

「うむ」


落書きレベルなのに、アマビエさんは満足そうだ。


「じゃ、薬の説明を」

「隠すな」

「いや、そうじゃないと説明できない……」

「間もなく疫病が流行する」

「もう流行しちゃってますけど」

「その絵を衆生に広めよ」

「なんの拷問ですか?」


この造形を人に見せるのは嫌だ。そう思っていたらアマビエさんが、濡れた手でパソコンに手を伸ばす。


「薬歴は! 薬歴はやめて!!」

「広めよ」


【薬局あるある】カウンターに置いてあるパソコンは個人情報の宝庫なので、勝手に触らないようにしましょう。

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