第2話 アマビエさん、さらに話す

「豊作でしたらあちこち出歩きますよね。怪我ですか?」

「やがて病が流行する」

「冬ですからね。インフルエンザ予防注射しました?」

「私の姿を映して人々に見せよ」

「あ、絵がお好きなんですか?」

「見せよ」


どうやらこれが一番言いたいことらしい。僕の投げたボールをことごとく避ける神経には敬意すらおぼえる。


「……僕が書くんですか?」

「うむ」


仕方がないので、薬情(薬剤情報提供書)の隅っこに、ボールペンで走り書きをする。幼稚園児が書いたような落書きが出来上がった。


【薬局あるある】

サービス業なので、無茶振りをされることもある(全てにはお答えできません)

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