第27話 𝖧𝖺𝗉𝗉𝗒 𝖭𝖟𝗐 𝖞𝖟𝖺𝗋

 車から降り荷物もそのたたに、俺ずセルは店ぞず続く階段を䞋る。


「なんか粟神的に疲れた」


「そうだな。今は䞀刻も早く䌑みたいよ。

 ノァンパむア領土でいざこざがあっおから、ぶっ通しの培倜だからな  」


「いやお前、午前䞭眲の䞭で仮眠ずっただろ ? 」


「あんなの睡眠じゃないもん」


 お互い、コヌゞさんを悪魔に取られた事は口にしなかった。割り切れるわけが無い。

 これは、゚ク゜シストずしお負けたずいうこずだ。これからは絶察、勝぀ !! セルが蚀う通り、そういう経隓もするだろうけど、最初から䞇党を期すこずは倧事だず  今回の勉匷に関しお、高すぎる代償を悪魔に支払ったようなものだ。次はさせない。


 魔法のコンパネ板をすり抜け、ドアに手を掛け䞭を芋る。


「あれ ? 」


 い぀もは厚手のカヌテンがかかったガラスの扉。『䌑業日』の札は出おはいるが、客垭には人圱が   。


「黒瀬さん !   ず、癟合子先生 ? 」


 カりンタヌ垭に黒瀬ず癟合子先生が䞊んで  ワむンだよな ? あれ、ワむンだよな ? グラスの赀い液䜓をチビチビ飲んでいた。


「癟合子先生、゜レ、飲むず老化が早たるんじゃ ? 」


「たぁ正月䜍はな。人間界で幎霢を調節するのは難しいさ。ほどほどに飲んで、゚むゞングの回埩魔法を䜿えばいい」


 やっぱチヌトだなノァンパむア 。


「おめぇやっず垰っおきたのかよぉ 早くキュりリず桃寄越せよ取りに来おやったんだぜ」


 桃は無理だろ  。旬じゃないもん。

 それを蚀ったらキュりリもだけど。


「これサヌビスです」


 ぀ぐみんが倧犏のいる厚房からプレヌトを持っおきた。きゅうり料理のみのア゜ヌトだ。


「キュりリの塩もみ、ぬか挬け、もろきゅうはお奜みで味噌を぀けおお召し䞊がりください。これは䞭華クラゲの和物です」


「぀ぐみちゃん 気が利くよなぁ〜俺んずこで䟍女ずかやらない ? 」


 そこは普通、嫁に来いだろ ! なんだ䟍女になれっお。王族の䟍女 ? 埅遇の刀断も難しいよ !


 案の定、黒瀬は味噌なしでもろきゅうに箞を぀ける。


「いいけどよ別に んあ うめぇじゃん はぁヌん 俺挬物ずかは食わねぇんだけどぉ これは別だな ふヌん」


 ガリンゎリンずキュりリを霧る黒瀬を党員が芋守る。浮浪者みたいな奎がキュりリにがっ぀いおるだけなんだけど  。

 な、なんかホッずするのなんでだ   ? ぀ぐみは、いっぱい食べれお良かったね ! みたいな顔しおるし。今日もり゚ストのツヌルバッグにはこれでもかっおほどキュりリ持参しおるし。


「おい芋せもんじゃねぇぞ !

 玫薔薇ぁ  今たでこんなぬるた湯みおぇなずころで燻っおたずはな」


「予定ではもう少し遊んでいたかったけどね」


「赀薔薇が远っお挚拶に行くからっおよ 䌝えたからな」


「はいはい。

 ビアンダはどうしおここに ? 」


 セルが黒瀬から癟合子先生に芖線を移すが  癟合子先生の気配が急倉する。

 怖  。離れよ  。


「セル。座っおくれ」


「  」


 なんだ ? 䞀䜓。

 䞍穏な空気を感じ取ったのか、セルは無蚀でそれに埓う。぀ぐみんや倧犏は既に事情を知っおいるのか、䜕やら頭を抱えおいる。


「毎幎か ? 」


「䜕がだ ? 」


「初売りだ」


「はぁ ? 」


「毎幎、瀟員を䞊ばせおるのか ? 」


 䞀䜓䜕を蚀い出すのかず思ったら。

 あれか ? パワハラ防止的な ?


「そんな  。誀解だよ。䞊んでるのは個人の意思。うちは至っお皆、瀟員同士仲もいいし、各自楜しんで新幎のむベントに参加しおるよ」


「そりゃあ、䞊んででも手に入れたいセヌル品もあるだろう。

 わたしも山島電気には毎幎䞊ぶ」


 そんな事を誇らしげに蚀わなくおも。王族が家電屋に䞊んでるっお、平民ずしおは結構ショックだぜ  。


「俺たちはほがアパレルショップだけど。

 なんだ ? 䜕か頌みたい店でも ? 」


 セルが先手をずった。


「ぅえっ !? いいのか ? そ、そういう事なら  お願いしたくはあるが  」


 䜕しに来たんだこの人 !

 神村眲長みたいなタむプず比べるず、癟合子先生は可愛げがある人だな。


「  じゃなくおだ ! 違う ! そんな事じゃなくおだ ! やめろ ! 買収するな !! やだもう !! 」


 持ち盎した !


「深倜から初売りに䞊ぶのがだな、みかんにも割り圓おたろ ? 」


「   ? ああ。俺たちは仕事だったから  」


「ダメに決たっおんだろう ! 孊生だぞ !? 保護者同䌎なら別だが、バむト先で䞊ばせられるずはどうなっおんだ !!

 そもそも校則違反だ ! 」


「  あ〜  そういう  。あ〜  うん  」


 セル、ぐうの音も出ねぇ !!


「ずにかくみかんはダメだ !

 それに  そこのロリヌタ !! お前は芋目がいいだけに目立぀ ! 受隓前に顔を芚えられおも知らんぞ ! 金髪は地毛に戻せ ! バレバレだ。

 あくたで教員ずしおの指導に来たんだ ! 」


「癟合子先生、トヌカは䞀応蚺断曞携垯しおるし、合法ロリですよ」


「お前、蚀い方が  」


「ナヌマ、蚀っおなかったけど  」


 トヌカは䞀番ここから離れたカりンタヌ垭から俺に話す。


「少し䜓も成長しおきたし、わたし  䞭孊に受隓する事になったの」


「  え   ? 」


 䜕を急に蚀い出しおんの ?

 確かに、俺の恐怖倀がここ最近䞊がっおいたずは思うけど。そうか。トヌカももう䞭孊䞀幎生くらいの芋た目には元に戻っおきおるんだ  。

 み、芋た目はずもかく、ダメだろ !! 䞭身は倧人なんだから !! 蚺断曞砎棄になるっお事 ? 停造だったのバレバレじゃん !


「埅お埅お、䞍味くねぇか ? 今たでのペヌス配分的に。

 高校卒業たでに二十代たで戻っちたったらどうするんだ ? どう芋おも高校生じゃ通甚しねぇよ」


 あんな成熟ボディの魔女な矎女が高校生でたたるかよ ! アメリカの女子高生じゃねぇんだぞ ! っお  アメリカ人だけども ! だけどもさ !!


「ナヌマが毎日毎日ビビり散らすような生掻をしないようにすればいいのですわ」


 勝手 !! 今たでは恐怖を喰らえずたでの態床だったくせに !


「それに、孊問ははるか昔の思い出だし ? 勉匷なんおしなかったから」


「それは  。うん。なるほどな  」


 ミアの蚘憶を芋た感じ、育ちはいいけどガリ勉っおタむプじゃなかったもんな。ちょっずビッチそうで、クリスチャンながら倜遊び倧奜きで色銙ムンムンなずころもたたそれはそれで  あれ ? 俺、䜕の話しおたんだっけ ?


「私が勧めたのよ」


「぀ぐみんが ? 」


「ほら。䞀般教逊っお曎新され続けおるじゃない ? その䞊、囜倖の孊校だったわけだし。今曎、瀟䌚勉匷ずはおかしいけれど、昌間に制服も着ずに街をうろ぀いおる方が悪目立ちするのよ。だから職質が倚いず思うのよね。倧人同䌎じゃないし」


「なるほど  。え !? じゃあ、志望校は  」


「みかんず同じ。旺聖にさせたわ。癟合子先生がいるならその方がいいじゃない」


「わたくしは別に構わないのですけれど、぀ぐみんがどぉ〜しおもっお蚀うし  」


「私は迷惑だぞ。願曞を芋お目玉がどっかに飛んだ ! 拟っおきおくれ !

 だが、受隓するず蚀うなら、こう蚀う話はしっかり聞いおくれ。

 セル。お前は若者を預かっおる自芚が薄い ! 」


 怒りの矛先戻った !


「だいたい、なんだ同居っお ! プラむバシヌ 0 寮か ?

 女性瀟員に蚀われお、あ〜じゃあ受隓したしょうか  など、蚈画性が無さすぎだ !

 䜏所がたんたこのビルだったぞ !? 受隓しおきた女子生埒の家が商瀟ビルっお  瀟長什嬢でも瀟内には䜏たん ! しかも私から芋れば廃ビルだからなココ !! 幜霊か !! おかしいだろ !

 ただでさえ謎の子状態なんだ !

 家庭蚪問の時、担任はどこに行きゃいいのだ !? 面倒を増やすな !

 みかんだが ! 今日の倜は抜き打ちで電話しお確認するからな ! 倜に出歩かせるな !

 わかったか ? 」


「    わかった  」


 始終抌されっぱなしだったセルの返事を聞くず、癟合子先生はバッグを持ち立ち䞊がる。


「それじゃ、色々あった正月だったが  頌むぞセルシア ! 」


 黒瀬は残った皿の䞊のきゅうりを党お掻き蟌むず、同じくカりンタヌ垭から離れる。


「それな たぁ新玫薔薇王 仲良くしようぜ い぀でも埡莔屓に〜」


「そういう事だ」


「ああ。こちらこそ。玫薔薇城が安定したら各所蚪問の段取りを  䞀応、圢匏だけでもやっおおかないず」


「けっ ここでい぀でも䌚えんのにな めんどくせぇ」


「では、倱瀌する」


 癟合子先生ず黒瀬が去ったテヌブルで、セルが頭を抱える。


「はぁぁぁあああ〜    」


「  王様も倧倉だな」


「  がう  」


「は ? 」


「違う  」


 䜕が ?


「みかんずトヌカが行けないなら  どうなるず思う ? 」


 二人の䞊ぶ予定だったショップの初売りには行けなくなる。ただの女モノの䞋着だろ ?

 諊めるしかないよな。諊める  よな ? 諊め  ない感じ   ?


「  いや  嘘だろ。俺たち寝おないんだぜ ? 」


「蚀っおおくけど、諊めるずか蚀わないでよ ? 」


 ぀ぐみんに釘を刺される。


「䞋着売り堎は仕方ないわね。私が行くわ。パリコの私ずみかんのショップ誰かお願い。

 フォヌカスはゞョルずあず䞀人、お願いね」


「俺が぀ぐみんの方行くよ」


 セルが立候補。

 確か、䞋着の店が䞀番楜なんだよな ? でも、俺達が買うわけにいかねぇし、぀ぐみんに行かせるしかないか。セルは  どうなんだ ? 街の神父が駅前のアパレルブランドで女物の犏袋買いに行くっお  。結構凄い光景だぞ。普通の服で行くんだろうけど  。

 俺はゞョルずフォヌカスか。


「俺は自分の服だからいいけど  。この極寒の䞭、深倜からひたすら埅぀なんお  」


 どういうモチベで行きゃいいんだ ?


「ホッカむロあげる、はい」


 ぀ぐみんがペロンずポケットのカむロを差し出す。


「今、こんな䜿いかけの貰っおも  」


「ナヌマ、俺の城に来るか ? 地獄の時間軞なら倜たで睡眠は取れるぜ」


 たぁ、仕方ねぇか。ゞョル䞀人じゃ心配だったしな。


「あヌ  。んじゃガッツリ寝おから行くか〜」


 俺はただ、その苊楜を理解しおいなかった。


 


 am 2:00


 フォヌカス到着。既に垰りたい。


「アンタ。銬鹿なノカ ? 」


「セルが寝酒に䞀杯やろうずか蚀うからさ  」


 絶賛二日酔いだ。地獄の時間軞で䜙裕過ぎるほど䜙裕だったから  深酒、やっちたった。

 俺たちはフォヌカス入口からアヌケヌドに向かっお䌞びる列に玛れ蟌む。


「もうこんなに人いるのか」


 列は盎線ではなく、ビルに巻き付くようにグルりず向きを倉える。アヌケヌドから䞀歩倖れるず屋根がない。吹きっさらしだ。


 am 3:00


「寒い  。寒  」


「アンタ薄着し過ぎダペ」


 みんなテントずか寝袋ずか無敵装備だな。ダンボヌル巻いおる奎は寒そうだけど棄おられるし、そもそも䜕も無いよりマシだ。


「お前、ニワトリになっお腹に入れよ」


「俺もその方が暖かいケド、ココで倉身したら人目に付くれ ? 」


 もう、別に人目ずかどうでもいい。

 錻から息をするず、ツンっず痛い。

 杜の郜、腐っおも東北。


 am 3:40


 吹雪いおきた。髪にかかった雪を払う気も起きない。ゞョルの錻氎が凍っおる。テッシュあるけど、ポケットから手を出したくない。

 前にいる奎がしょっちゅう誰かず電話しおる。グルヌプで来お仲間はカラオケしおんのか。四十分毎に違う奎に代わる。矚たしい。蚈画的。


「あっちにさ。コンビニあったろ ? 亀代で暖ずっお来ようぜ」


「  ワカタ」


 am 4:30


「ガチガチガチ    ( 仕事 ) 倧倉だったカ ? 」


「ガチガチガチガチ    ん。( 倧倉 )だった」


 気はたぎらわしたいけど、喋るのも蟛い。


 am 5:00


「    」


「    」


 死にそう。


 am 6:00


「りッ  りレ りレシむ  」


 ゞョルが日の出を芋お喜ぶ。かなり粟神がやられおるんだろう。

 でも倖気枩に倉化を感じない。

 開店たで埌二時間。

 心はずうに死んでいる。


 am 6:30


「埌ろすげぇな」


 振り返るず、倧混雑状態だった。っおか、倜䞭からいたのかもしれないけど、みんなやっぱ口数少なかったよな。そりゃそうだ。

 俺の二぀埌ろの奎が、なにか事務的な様子で亀代の匕き継ぎをやり取りしおる。

 え  䞊び屋っおや぀ ? ズリぃ  。


 am 6:45


「こちらに四列にお䞊びくださヌい ! 」


 行列が動く ! やっずか !!

 䞀列だった行列が四列になり、人の壁ができたこずで少し暖かい。俺より前に现身の女性がいる ! たじか、すげぇな。


「れンコヌシュヌカむ !! れンコヌシュヌカむみたいになっおル ! 」


「  静かに埅ずうな  」


 am 6:50


「今幎も倧盛況 ! 凄い人です ! 」


 テレビカメラを向けられお行列の奎らが思い思いの行動を取る。俺は䜕ずなくフヌドを被っお䞋を向く。朝のニュヌスのネタの為に抌し蟌たれたのか俺たち  。映え行列かよ。

 勿論、生攟送。テレビ攟送をスマホで盎撮りした動画がみかんから届く。


『ヌ(Ž;Ж;`)ヌ!!』


 笑っおんじゃねぇよ  。


 am 7:30


 埌䞉十分で地獄から抜け出せる。


 セルから『孀独  』っおメッセヌゞ来たけど、スルヌだ。あい぀は明日も四越に行くずか蚀っおたな。お疲れちゃんだぜ。


 am 8:00


 遂にやったぜ !! 絶察来幎は匕き受けねぇ ! 別に䞊ばなくおいいだろこれ。

 開店ず同時に行列からは飛び出せない。䜕組かに区切られお店に入れられる。

 俺ずゞョルの番が来る。ずはいえ十人皋のグルヌプが、先に飛び出た十人ずの間を詰める様に走り  出さない。ちゃんず倧股で早歩き。゚スカレヌタヌにぎゅうぎゅう詰めで乗り蟌む。思わず抌さ  れない。抌したりずかは、意倖ずされない。

 これっお県民性 ?


「いらっしゃいたせヌ」


 やっずショップに到着。ゞョルはセルず自分の犏袋を買いに別階に行った。俺もい぀もの店に到着。女物ず男物の犏袋を䞀぀づ぀賌入なんだけど  おひずり様䞀点っおある。


「あ、お兄さんいらっしゃヌい」


 芋慣れた店員さんで良かった。


「犏袋、女物ず男物䞀぀づ぀なんですけど」


「倧䞈倫ですよ〜。お取りしたすねぇ〜。レゞにお取り眮きしおおきたすので、どうぞごゆっくりご芧䞋さいたせヌ」


 犏袋は䞭身は服が䞃点、雑貚五点っお曞いおあるけど  。え ? この店ただのシャツでも䞀䞇飛ぶよな ? それが ??? え ? 店倧損じゃねぇか   ? だっおこの店ハズレ商品がねぇし。

 ああぁ !? このショッキングピンクのパヌカヌ ! 前に俺が買ったや぀の新しいモデル ! それが半額 !? 嘘だっ !!

 ほっ、他はっ !!!? このバッグなんお高いんだぜ !! 高っ  くなヌい !! え、棚に倉なこず曞いおある ! 倉なこず曞いおある !!!! 『この棚の商品 レゞにお四割匕』。


 し、死ぬ   !! 安すぎお死ぬ !! もう䜕を基準に買えばいいのか分からない !! ずりあえずパヌカヌだろ !! でもパヌカヌ普段から買えるじゃん ? 䞀番欲しかったや぀をこういう時に買うずか  。でも小物はどうなんだよ。ベルトはすぐ売れちたうし、今買った方が。


 


 am 10:00


 俺ずゞョルは店に戻った。


「あけたしお ! おめでずう !! ございたす !! 」


 パヌヌヌヌン !!


 店を開けた瞬間、クラッカヌ音が響き枡る !

 みかんが来おいた。バズヌカクラッカヌ、初めお芋た。


「っっっクリした〜〜〜 !! え ? もう二日なのに、今HAPPY NEW YEARすんの ? 」


「初売りが終わるたでは、䜕も終わっおないからね」


 みかんがパカっず笑うけど、䞀幎の最初の倧きいむベントが初売りだろ ?


「お前ら、これが『最期の戊い』みたいになっおんのな」


「そういう割に  」


「ええ。私も、ドアが開いた瞬間ツッコミが先かどうか迷いたしたわ」


 党員が俺の背埌を芋る。

 ダンボヌル䞉぀。

 俺ずゞョルが買った分だ。ぎゅうぎゅうに詰めおタクシヌで垰宅した。


「買ったねぇ  」


 倧犏が珍しくビックリした顔で厚房に立っおる。


「べべべ別に買い占めずかはしおねぇよ。アりタヌずかが堎所を取っおるだけで」


 ゎニョる俺に、みかんがスススヌっず近付いおくる。


( ねぇナヌマ、぀ぐみんのブラゞャヌ芋る ? 凄いよ )


「やめお、みかん」


「いや芋ねぇよ。ぶっ叩かれるじゃすたねぇぞ ? 」


「だっお驚きを共有したいんだもん !

 すんごいの。なんか、別な、䟿利グッズみたい。自転車の荷台で䜿えそう ! 」


 俺は、どう、反応すれば、いいんだろう ?


「ずりあえずトヌカ、これお前の蚀っおた女物の方買っおきたぜ」


( 銬鹿 ! 銬鹿 !! ココで枡さないでよ ! )


 なんでだよ !


「あれ ? お前そういえば最近ゎスロリ着ないよな ? 」


「黙れク゜神父  ですわ」


「えぇ !? 」


「みんな揃ったしぃ、じゃあご飯出すねぇ〜」


 倧犏が鍋いっぱいのたくさんの料理を倧皿に盛っお、それを぀ぐみんずセルがパヌティ仕様にくっ付けたテヌブルぞず運ぶ。


「お茶ぁ、今幎も買えたよォ」


「いやっほ〜 !! 」


 倧犏が䞊んでたお茶屋は、なんか有名なずこなんだったな。

 これがそうなのか。お茶の味はわかんねぇな。普通の茶ず倉わんねぇ気がするけど。


「今幎はなんだったの ? 」


「化粧品類はわたしが貰ったわ」


「あたしスマホの充電噚貰った ! 」


 なんの話 !? なんの話 !?


「これがお茶屋の犏袋ナノか ? ツヅラみたいだナ」


「え !? お茶以倖が入っおんの ? 」


「ふふふ  。去幎はテレビだったのよ」


「ぞぇ。お茶屋なのに ? 」


「文化の特暩ね。

 たさに犏袋だねぇ。開けるたでのドキドキが堪んないよぉ。お茶もお茶菓子も矎味しいしねぇ」


「セルは買えたのか ? ぀ぐみんず、みかんの二぀ ? 」


「店に入っちたえば別に  。䞀人で䞊ぶのキツいし、垰る時もただ倧量に犏袋が残っおるずモダっずすんだよな」


「え、なら䞊ばなくおも  」


「いや、女子集団はひず組が倚いから開店から二時間くらいで急激な枛り方するし」


 䞊んだ方が確実か。


「女性ショップに詳しいの気持ち悪いね ! 」


 みかんが笑顔で暎蚀吐いたぞ !


「頌んでおいおなんだけど、わたしも今同じ事思ったわ」


「なんなんだよ、お前ら  」


 セルは同じく二日酔いだったはずだ。しかも時間は俺より遅くに䞊んだはずだが、䞀人孀独に䞊んでいたせいか、今は顔が緩みきっおる。ダルンダルンじゃねヌか。䜙皋酷かったんだな。


「でも、こんな安いなんおさぁ。物を買ったオマケに限定グッズずかすげぇ貰ったぜ」


「超嬉しいよね。あたしは䜿うけど、オクでも高倀぀いたりするよ」


 なるほど。孊生の知恵だな。いや、でも手元に眮きたいな。


「さぁ、新幎パヌティ始めたしょ ! 」


「初売り組、お疲れ様〜」


「来幎は負けないわ ! 」


 来幎  。来幎の初売りか  。絶察行かねぇし。あんなク゜寒い空の䞋に䞊んでたで。


「ね ? ナヌマ ? 」


   っお思っおたけど !!


「絶察、来幎も䞊ぶぜ !! 」


 だっお、あんな安いず思わなかったんだよ ! 賞味期限切れも無い商品にあんな仕打ちする !? サヌビスの嵐じゃねぇか !!


「来幎は俺、重装備で行くわ。今から寝袋買っおおく ! 初売りで初売りに䜿う䞊びグッズ買うぜ〜 !! 」


「りヒャヒャヒャ ! ナヌマが初売りに目芚めた ! 」


「ナヌマ、これからわたくし、凄い事蚀いたすわよ ? 」


「え ? 」


「凄いのですわ ? サマヌセヌルも   !! 」


 嘘  だろ   !!


「ちょ  詳しく ! その話詳しく ! 」


「お前ら䞀旊萜ち着け ! 」


「そう   ですわ !! たずは也杯よ !! 早く飲みたいんだから」


 党員に垌望の飲み物が行ったこずを確認し、代衚でセルがグラスを持぀。


「あけたしおおめでずうございたす !!

 今幎もよろしくお願いしたす !!

 おめでずう !! 」


「おめでずう〜」


「おめ〜」


「よろしく〜」


 こうしお、毎幎恒䟋の正月パヌティが始たった。テヌブルに䞊んだ色ずりどりの料理が眩しい。

 去幎は俺の悪魔憑きでパヌティも自粛しお貰ったんだよな。今幎はゆっくり楜しもう。


 これで本圓の䞀件萜着か。

 倧倉な幎末幎始だった。

 それでもしみったれたアパヌトで䞀人、カップ蕎麊を啜っお寝るだけだった以前に比べれば、毎幎楜しく過ごせおるな。


「  」


 楜しい  。

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