第10話「キャットファイト」
第10話‐A面 瀬戸環は失敗する。
遅刻した遅刻した遅刻した遅刻した遅刻した!
……やってしまった。
今まで遅刻どころか欠席だってしたことが無いのに。
通知表の遅刻の枠の中についに「1」が刻まれてしまう。
あー、もう!
テストは最悪だったし、アキラには怪我させちゃうし、遅刻はするし!
本当にツイてない。
なんなのこれ、新学期早々ツイてなさすぎない?
それに三波さん……。
なんなのあの子。
アキラの幼馴染か何かしれないけど、いつもアキラにベッタリでしかも今は同居してるってなにそれ羨ましい。……アキラに変なコトしてないでしょうね。
変なコト。
たとえば、保健体育の授業で習うみたいな、そういう。
――危険だ。凄く危険だ。
このままではいずれ近いうちにアキラが三波さんの毒牙にかかってしまう。
私がアキラを守ってあげないと!
そう、同じクラス委員として。
そんな考え事をしていたら、いつの間にか四限目まで終わっていた。
嘘でしょ……。
ノート全然取ってないとか。
「アキラちゃーん、午前の授業の分のノート、ちゃんと取っておいたからコピーしてあげるね!」
「ありがとう三波さん」
「えへへ。これくらいはね」
それ私がやろうと思ってたやつー!
出遅れた!
あー、もう私のバカ……!
でもこういう時には切り替えが大切だ。
大丈夫、私には二の矢があるのだか――
「アキラちゃん、お弁当食べよっか」
――って、それ私の二の矢!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます