第17話-B面 毒島玲子は仕事をする。

 アキラはアタシといるのが幸せ。

 アタシはアキラを不幸にするのが仕事。

 このバカの世話ばっかり焼いてたせいで忘れかけてたが――


「アキラぁ、アタシは厄病神だ」


 ――そろそろ厄病神の仕事をしようか。

「アタシの仕事はオマエを不幸にすることだ」

「そうですね」

「そんなワケで、アタシはここを去ることにするわ」


「……えっ!?」


「オマエの幸せはアタシと一緒に居ることだろ? アタシが居なきゃ不幸のどん底……だよな? だってオマエ、アタシのこと好きだもんな?」


「……え、あの……」


 二の句が継げずにいるアキラを尻目に、アタシは窓から外へ飛び出した。


「じゃあな、アキラ。せいぜい不幸になれよ!」


 後ろを振り返らず夜の空へ舞い上がる。

 いつまでも。

 どこまでも。

 高く。

 遠く。

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