第17話「決断」

第17話-A面 毒島玲子は考える。

 ……好き。

 好きかぁ。 

 好きねえ。


 アタシは生前むかしからそうだ。

 同性に妙に好かれる。

 同級生や下級生、なんなら年上からも告られたことがある。


 けどアタシはノーマルだ。

 まあ男と付き合ったことがあるわけじゃねーけど、女とそういう関係になるイメージは全く持てねえ。


 だからって他人の嗜好についてはどうこういうつもりはない。

 そういうのがあるのも理解はしている。

 しているが。


 ――自分がそうなることはない。


 アキラのこともくらいにしか思ってなかった。

 はずだったんだが、


「アキラァ」

「はい」

「正気か?」

「はい」

 ……どっちかっていうと狂気だな。


 今までいつもどおりに断るか?

 だが断っても、アタシはコイツに憑いていなけりゃならねえ。

 アタシは厄病神だから。

 だからってこのバカの告白を受け入れるつもりはねえ。


「返事はしなくていいですよ、レーコさん。僕はレーコさんさえ傍にいてくれればそれで十分幸せですから」


 私の堂々巡りの考えを呼んだかのように、このクソガキはご丁寧に逃げ道まで用意してくれやがった……。舐めくさりやがって。


「ん?」

 ちょっと待て。

 そうか――

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