第二話までの和雪の考察

 ※ここから先は読まなくても構いません。酒々井和雪の気持ちになりたい人向けです。次の話が読みたい方は飛ばしてください。


 和雪の考察①


 突如現れた女、アリナ。見た目は高校生か大学生くらい。彼女は召喚儀式というもので、俺を自分のいる世界に瞬間的に連れてきたらしい。

 これは2点間を一瞬で移動するテレポーテーションの一種だろう。


 テレポーテーションと言っても色々ある。空間を飛び越えたり、高速に移動するものなど。今回の場合は断定はできないが空間を飛び越えたんだろう。しかし、どうやってこのテレポーテーションを起こしたのだろうか? 

 おそらく、彼女が俺を瞬間移動させたのは、2点をつなぐ時空のトンネルであるワームホール使ったのかもしれない。これは理論上は可能である。

 彼女は「魔法陣を描いて」と発言したが、それがワームホールなのだろうか? 少なくとも彼女は、否この世界の技術は自分の常識をはるかに凌駕していることは確かだ。


 それと気になることがある。彼女が言ったというワードだ。ここで一つ仮説が浮かぶ。今ある世界とは並行して別に存在する世界。つまりパラレルワールドだ。

 分からない人向けに例をあげると、自分に兄弟がいる世界とは別に兄弟がいない世界があるということである。俺はそのイコール、パラレルワールドに人為的に連れてこられたのだろうか。



 一番の疑問は彼女の動機だ。本人は友達作りとは言っていたものの、やはり怪しい。目的は別にあるのか。

 もし友達作りが嘘で、あの泣き顔が演技だとしたらどんなベテラン俳優でも腰が抜けるだろう。

 動機が不明確な以上、今は俺は彼女を信用していることを装うしかない。相手を油断させるために……




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