第2話®️ 失われた故郷
私達の生まれた星はもうない。
私の家族は、故郷の星で亡くなった。
私は1人になった。
さっきの仲間もみな、同じ境遇だ。
私達の星はあの蠢く黒い、影のような存在に飲み込まれてしまった。
世界ごと…全部ヤツらが…
私達は、ヤツらをシャドーと名付けた。
影のように黒く、影のように伸び、広がり、世界を黒に変えてゆく。
あの黒い影はかなりのスピードで世界を黒に変えてゆき、植物や動物、全てを飲み込んでいった。
あの黒い影に飲み込まれたらどうなるのかは知らない。
たぶん…無くなるのだろう…
でも、もしかしたら、あの黒い世界の中で、みんなが生きているのではないか?
私達は家族や友達の亡骸を確認した訳ではないのだから…
その瞬間、胸に希望の燈が灯るが、毎回その希望の燈はふっと吹き消されてしまうのだ。
だって……
私の星からは生命エネルギーを感じない。
私達は生命エネルギーを感知する。
全ての生命のその日のコンディションも解る。
そんな私達が何度故郷の星にアクセスしてみても、私達が知る、あの懐かしい生命エネルギーは感知できない。
できるのは、もぞもぞと蠢くシャドーのエネルギーだけだ。
でも…最近、そのシャドーの生命エネルギーが減ってきている。
私達の故郷の星で、シャドー達が生命活動をストップしてしまう何かが起こったのか、又は、シャドーが私達の星から移動し始めたのか…
おそらく…後者だろう。
ヤツらはもうすぐ、あの星の豊かな自然や、美しい生命を食い尽くしてしまうのだろう…
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