第137話 ふともも催眠
パァン
「……先輩の変態」
ベッドに座りながら、後輩の詩音が上目遣いに睨んで言った。
「お、どんな催眠をかけられたか、もう分かってるみたいだね。えらいえらい」
そう言いながら、詩音の正面に立って頭を撫でた。怒ったような顔をしていたのに、頭を撫でられるとすぐに表情がふにゃっと溶けてしまうのが可愛い。でも、うっとりした顔の中で眉毛だけ物足りなさそうに下がっていた。
「……触って欲しい場所、ここじゃないんだよね?」
確かめるように俺がそう訊ねると、詩音は顔を真っ赤にしながら俯いて、制服のスカートの裾を握ってギリギリまでたくし上げた。
「うん、いいこいいこ」
俺はそう言いながら詩音の頭を最後にひとなでして、ベッドの詩音の隣に腰を下ろした。それから、詩音が剥き出しにした白い太ももを、片手の指4本が触れるか触れないかくらいの力で撫でた。
「っ〜〜〜!!」
詩音が背中をびくんと震わせながら、喘ぎ声を噛み殺す。今日の催眠は『太ももが敏感になって、触られたくてたまらなくなる』という催眠だ。
『こんな催眠をかけてまで私の太ももを触りたいんですね。先輩の変態』
と、普段の詩音なら言うところだと思うのだけれど、今の詩音はフェザータッチの快感に耐えるので精一杯のようだった。
「気持ちいい?」
俺は撫で方を、手のひら全体でマッサージするように変えながら訊ねた。
「はぁっ、んっ!」
口を開いた詩音が喘ぎ声を溢す。勝手に口角が上がるのを感じながら、俺は膝枕のような格好で詩音の太ももに頬を擦りつけた。
「あぅん!せんぱいっ!」
切羽詰まったような、それでいて甘えの混じったような声で詩音が俺を呼ぶ。俺は両目を閉じて、頬から伝わる太ももの感触を味わった。普段は膝枕されても顔を擦り付けるようなことはしないが、今日は特別だ。詩音がこんなに悦んでいるのだから、まあ役得というやつだろう。乳房とも、お尻とも違う張りのある感触と、肌のなめらかさ。体温、しっとりとした湿度。眩しいくらいの白さと、ほのかに感じる蠱惑的な香り。五感の全てに訴えかけるような快感。
「んっ!はんっ!」
詩音は左手で口を押さえながら喘ぎ声を漏らしている。俺が少し目を開けると、詩音の息は上がりきっていて、脚はだらしなく広がりかけていた。俺は詩音の正面にひざまづくと、脚と脚の間に顔を押し込んで、内腿に頬擦りをした。
「あんっ!せんぱい、そこはぁっ!」
詩音が抑えられないように喘ぐ。俺は内腿の腱の在処を探るように、唇を押し付けて甘噛みするようにまさぐった。
「せんぱっ、キスはダメぇ!きちゃ、きちゃうからぁ!!」
取り繕う余地が全く無くなったように詩音が叫ぶ。横目でスカートの中を見ると、パンツの中央にくっきりとシミができていた。俺は、両脚の太ももを両頬に擦りつけながら、スカートの中に顔を突っ込んで下腹部に顔をぐうぅっと押しつける。
「っああぁああぁあ゛ぁあ!!!」
詩音は身体をのけぞらせながらひときわ大きな喘ぎ声を上げたあと、ぐったりと脱力してベッドに倒れた。俺は詩音を少しベッドの奥に押しやると、正面から抱きつくように詩音に添い寝した。それから左手で詩音の背中をいたわるように撫でる。
「いい子いい子」
「……先輩の、エッチ」
詩音はそういいながら、俺の脚に自分の脚を絡み付けて内腿を擦りつけていた。
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