第125話 バックおねだり催眠
パァン
「……」
先輩が手を叩く音でトランス状態から目を覚ました私は、黙って現状の把握に努めた。先輩はいろんな種類のエッチな催眠をかけてきたけれど、今日のは分かりやすい。私はベッドに上ると、枕に顔をうずめるようにしながら両膝を突いてお尻を高く突き上げた。
「先輩の変態!!」
枕に顔を押し付けながら、横を向いて先輩に言った。
「客観的に見たら、変態なのは詩音の方じゃない?」
「先輩の催眠のせいでこんなことになっているんですから、変態なのは先輩です!!」
少し笑いながら反論する先輩に私は噛み付く。私の反応に先輩は笑いながら、ベッドの横まで来て床の上に座って私の腰のあたりを撫でる。
「!?」
「ふふっ、ビクッてした。猫なんかはこの辺撫でられると喜ぶけど、どう?」
「別に。可もなく不可もなくです」
私は枕に顔を押し付けて、くぐもった声で返事をした。先輩は小さく笑って、耳に息がかかるくらいの距離で囁いた。
「そんなに耳を真っ赤にして、何を期待してるのかな?」
「それはっ……!先輩が『そういう催眠』をかけたんでしょう!」
「おおっ。よく分かってるね」
感心したように先輩はそう言って、私の頭を撫でた。私は唇を噛む。この催眠のいやらしいところは、無理矢理このポーズを取らせているわけではない、というところだ。身体は自由に動かせる。なら、なぜ私がこんな恥ずかしい体勢をとっているかというと……このポーズを取っていると『大きな快感の予感』がするのだ。こんな体勢でする“気持ちいいこと”なんて……そう考えるだけでお腹の奥が熱くなるのを感じる。無意識に喉が鳴る。そんなことを考えていると、先輩の手が突き上げられた私のお尻を優しく撫でた。
「んふっ!」
私は思わず息を漏らす。
「どうしたの?まだエッチなことなんて何もしてないのに……パンツ、しみが出来てるよ?エッチなこと、想像しちゃったのかな?」
先輩が耳元で意地悪に囁く。
「知りません!」
「パンツを汚しちゃうなんて、悪い子だね。これは、お仕置きをしないと」
そう言った先輩の指が、パンツとお尻の間に這入り込む。それから、お尻を丸く撫でるように擦りながら、パンツを太ももの真ん中あたりまで引き下ろす。身体がビクッと震えてしまう。鼓動が速くなる。そして先輩の手が、パシンっとキレの良い音を立てて私のお尻を叩いた。2回、3回と繰り返す。
「はぁ……どうしたんですか?全然痛くないですよ?」
私は荒くなった息で、挑発するように先輩にいう。先輩の叩き方は音こそ派手だけれど、痛みはそこまで強くなくて、少し熱をもってじんじんとするくらいだった。
「何?痛くして欲しいの?」
私の言葉に先輩が半笑いで応じる。
「なっ!?そんなこと言ってないじゃないですか!?」
「詩音はちょっとMっぽいところがあるからなぁ〜。でも、俺はあんまり痛くするの好きじゃないんだよね」
私の反論を無視して先輩が続ける。それから——
「どちらかというと、俺はこっちの方が好きかも」
そう言って先輩は私のお尻に唇を押し付けた。
「んっ!」
私は喘ぎ声を押し殺す。直前に叩かれて、敏感になった部分に唇の感触が触れて、舌が擦る。
「ふふっ、柔らかくて気持ちいい」
先輩はひとりごとのようにそう言って、果実をむさぼるように舌と唇で私のお尻を嬲る。お尻から、太ももの裏、内腿と、唇を押し付けたまま動いていく。膝が震えて、うるさいくらい心臓の音が速くなる。
「せんぱい……」
甘えが混じった懇願するような声が口から漏れるのを、私は抑えられなかった。先輩の唇が離れて、ベッドがぎしりと揺れる。先輩は私の背中にのしかかるようにして、耳元で囁いた。
「いじわるしてごめんね?詩音」
それから——
——その日以降、途中で体勢を変える時に、私がうつ伏せでお尻を突き出すようなポーズをすることが増えたのは先輩にも秘密だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます