第122話 脱スカート催眠
パァン
俺が手を叩くと、正面に座ってトランス状態になっていた後輩の詩音がゆっくりと目を開く。それから、目を見開いて弾かれるように立ち上がる。
「う、うがーーー!!」
手負いの猫のような叫び声を上げて、スカートに手をかける詩音。俺は一連の動作を黙って見つめる。スカートをベッドの上に投げ捨てた詩音は、不機嫌そうに頬を膨らませながら膝を抱えて座り込んだ。
「……先輩。これだけ長いこと催眠をやっていると、『服を脱ぐ催眠』も何度もやってますよね。『常識置換』であったり、『布恐怖症』であったり」
ジト目でこちらを見つめながら詩音が言う。
「それで、それなのになぜ今、『スカートを脱がずにはいられなくなる催眠』なんてかけたんです?」
おお、催眠の内容がよく分かってる。
「うーん。いや、こう、俺ってライン超えると歯止めが効かなくなるとこあるでしょ?」
「前も言ってましたね、それ」
少し考えながら話す俺に、詩音が相槌を打つ。
「それで、スカートを脱ぐタイミングなんて大概ラインを超えた後だから、パンツを履いてるところをあんまりよく見たことが無いような気がして」
「いや、前にもありませんでした?『たくし上げ催眠』とか」
「…………え?」
呆気に取られて聞き返す。まあ、催眠にかけられていた間のことだから記憶が混濁してても無理はないか。俺が聞き返して3秒後に、詩音は真っ赤になって目をそらした。
「と、いうわけで、パンツ履いてるところを見せて」
「な!?」
「……もしかして、恥ずかしい?」
少し煽るように俺がそう訊くと、詩音はそっぽを向いたまま答えた。
「別に?いまさらパンツくらい恥ずかしくもなんともないですよ?もっと恥ずかしい格好をいくらでもさせられてますから」
「じゃあいいでしょ。ほら立って?」
「むぐ……別に恥ずかしくはないですけど、下だけ穿いてないって何か変態的で違和感が大きいってだけです!……そうだ、上も脱げば単なる下着姿に——」
そう言ってワイシャツのボタンに指をかけた詩音が固まる。
「……先輩?」
「上を脱ぐことに対する羞恥心は4倍にしてある」
「なんでそう変なところまで用意がいいんですか!!」
それから詩音はバンッとローテーブルを叩いて立ち上がる。
「分かりましたよ、先輩の変態!ほんとにいまさらパンツくらい、何も恥ずかしくないんですから!」
「ワイシャツがちょっと邪魔でよく見えない。すそ持ち上げてくれる?」
「なっ!?先輩、ほんとうに——」
言葉につまりながらも詩音はワイシャツのすそを持ち上げて、水色のパンツが露わになる。白い太ももとのコントラストが夏空を思わせる。
「…………」
じっくりと見つめていると、詩音の膝が小さく震えだして、それからへたり込むように座り込んでしまった。
「詩音?」
「……見過ぎです。先輩のエッチ」
膝を抱えた腕に顔を埋めながら、消え入りそうな声で詩音が言った。耳は真っ赤になっている。
「……これは、ライン超えたな」
そう呟くと、俺はローテーブルを踏み越えて詩音の肩に手をかけて床に押し倒す。
「先輩?」
不思議そうにする詩音の唇を唇でふさぐ。
「……ねぇ、今日はパンツを見せてくれるだけでよかったのに、どうしてそんな可愛いことするのかな?我慢できなくなるでしょ?」
くすぐったそうに身をよじる詩音を押さえつけながら、詩音の下腹に右手を這わせてパンツの中にふ滑り込ませる。
「やんっ、先輩、せめて催眠を解いてから——」
「無理。そんな余裕ない」
そう言って、左手で詩音のワイシャツのボタンを外す。直後、ものすごい力で詩音に突き飛ばされた。
上半身に関する羞恥心を4倍にしてたの忘れたな。
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