第40話 マッサージ催眠
パァン
「おはよう。……今日はどんな催眠?」
「まあまあ。それはいいじゃないですか。ほら、早くベッドに行きましょう?気持ちいいこと、いっぱいしてください」
そう言いながら後輩の詩音は立ち上がって、ブラウスを脱いだ。短い黒髪が揺れて白い肌が露わになる。薄水色のブラに支えられた胸の谷間に視線が吸い込まれそうになって、慌てて目を逸らした。積極的なのは悪いことではないが、どこか怪しいものを感じる。詩音のことだから何かエッチな催眠を使っていることは間違いないのだけど。
「先輩。来てください」
ベッドにうつ伏せになった詩音が呼ぶ。まあ、いいか。俺は、詩音の腰の上に馬乗りになり、ブラのホックを外した。それから首の後ろに両手の親指を添えて、ぐっと力を込める。フーチというツボらしい。
「あ、先輩……気持ちいいです」
詩音が艶めいた声を漏らす。さらに2、3回押した後、両手を滑らせて肩を揉み始める。
「こんなに硬くして。期待してたの?」
「んっ!先輩、いじわるです……」
軽く撫でるようにさすりながら耳元で囁くと、詩音は耳を赤くしながら枕に顔を沈めた。俺は詩音の硬くなったそれを両手でコリコリと揉みほぐす。詩音の息がだんだんと上がってくる。首の付け根を揉むと身体がビクッと震える。手を拳にしてトントンとリズミカルに叩いたり。
「あっ」
思わずといったように詩音が小さく喘ぐ。俺はまた詩音の耳元に口を寄せて言った。
「下、触るよ?」
詩音は黙って枕に顔を擦りつけるように頷いた。俺は手のひらで円を描くように詩音の身体の上を滑らせていく。肩甲骨、肋骨、そして、腰椎のあたりまで到達した。両手のひらの、親指の付け根あたりに体重を乗せるようにして押す。
「あぁ〜。先輩、気持ちいいぃです」
詩音が蕩けた声を出す。俺は繰り返しぎゅうっ、ぎゅっと押した後、親指を立てるようにして体重を集中してかけた。
「先輩ぃ!そこぉ!そこもっとぉっ!」
詩音が甘えた声でねだる。
「ここが気持ちいいの?」
「はいぃ!もっと、もっとしてぇ!」
……ひとしきり行為が終わったあと、ブラウスを羽織った詩音は俺の身体に甘えるように抱きついて座っていた。上がっていた息も落ち着いてきた。俺としては、もうすぐに2回戦でも良かったのだけれど。なぜか今日はマッサージを終えても賢者モードになっていないので。そんなことを考えていると、詩音の右手が俺の顔を掠めるように伸びてきた。
「先輩。催眠、解きますね?」
ああ、そうだった。目を閉じると、耳元で催眠解除の指パッチンが響いた。
パチン
目を開けて、下を見ると詩音は嘲笑の混ざった煽るような笑みを浮かべていた。
「どうでしたか?催眠にはこんな使い方もあるんです。『マッサージをエッチな行為だと思い込む催眠』。先輩、ずいぶん熱心に私の身体をほぐしてくれましたね?おかげですっかり疲れが取れましたが。先輩のすけべ」
ああ、言われなくても理解した。俺は、口を手で押さえながら目を逸らす。
「先輩……?顔なんて赤くしてどうしたんですか?先輩は今日、エッチなことなんて何一つできていませんよ?」
「いやその……詩音の背中、すべすべで気持ち良かったし……喘ぎ声とかもそこそこエッチで、なんというか、その……割と満足してしまった」
俺がそう言うと詩音は一気に真っ赤になった。
「な!な、なななな、何にエロスを感じてるんですか!油断も隙もありませんねこの変態!!」
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