第18話 妹催眠
パチン。手を叩く音で目が覚める。ここは私の部屋で、ローテーブルを挟んで向かいに座っているのが、ひとつ歳上のお兄ちゃんだ。
「今日もなにか催眠術をかけたの?お兄ちゃん」
お兄ちゃんの趣味は催眠術だ。ことあるごとに、抱っこして離れなくなる催眠だとか、膝枕する催眠だとかを私にかけて甘えてくる。
「うん。うまくかかってるみたいだ。」
そう答えるとお兄ちゃんは立ち上がって、ぐいっと服を脱いだ。
「おおおおお兄ちゃん!?な、何してるの!?」
「何って、エッチするんだろ?」
まるで当然のように答えながらお兄ちゃんは下まで脱いだ。とっても恥ずかしいのに、目を逸らすことができない。
「ダメだよっ!私たち家族なんだよ?」
後退りする私の肩をお兄ちゃんが掴み、押し倒す。
「そんなこと言ったって、先に誘ってきたのは詩音だろ?」
そう言われて思い出す。確かに記憶の中の私は裸で『続きをしてください。お兄ちゃん』とせがんでいた。それから何度もお兄ちゃんと愛し合った自分の姿がフラッシュバックする。
「で、でも」
「大丈夫。ゴムはちゃんとするから」
「そういう問題じゃ——」
反論する私の口をお兄ちゃんの唇が塞ぐ。舌先が触れ合うだけで頭が真っ白に痺れる。お兄ちゃんの手がスカートをめくり、おへその下を撫でてパンツの中に入り込む。
「そんなこと言って、ここはこんなに濡れてるじゃないか」
「やっ!いわないでっ!」
お兄ちゃんは私のパンツを下ろして、脚をM字に広げさせた。恥ずかしい場所が露わになる。恥ずかしいのに、ダメなのに、逆らえない。
「じゃあ、挿れるからね?」
「ダメぇっ——」
——
ぱちゅん。ぱちゅん。
「あぁあぁあああぁ!!」
お兄ちゃんの上で身体をゆみなりに反らせながら私は嬌声を上げた。それからぐったりとお兄ちゃんの上に横たわる。甘い甘い禁断の関係に、私は身も心も堕ちていた。
「お兄ちゃんの、お兄ちゃんのバカぁ」
私はお兄ちゃんの胸に涙をポロポロ流した。こんなの、こんなのダメなのに、気持ちいい。お兄ちゃん大好き。そんな私の様子を見たお兄ちゃんは、すっと耳元に右手を寄せて、指パッチンをした。鋭い音に頭が冴えて、催眠が解ける。
「…………」
私は黙って先輩の胸で顔を拭いた。
「……先輩に妹萌え属性があったなんて知りませんでした。これは、妹さんに警告しないといけないですね」
「いやひとりっこだし」
私の下の先輩が答えた。
「それに俺がしたい相手は詩音だけだしな」
そう言いながら先輩はなだめるように私の背中を撫でた。
「そんなこと言われても、ちょっとしか嬉しくありません」
そう言いながら私は目を細める。催眠が解けて、先輩がお兄ちゃんじゃなくてただの先輩であることを思い出して、ほっとしたのが一番だけれど、それと同時にちょっとだけ残念なような気もした。本当にお兄ちゃんだったらもっと甘えられたのにと。
「先輩」
「ん?」
「私は先輩の家族じゃないですけど……いえ、なんでもありません」
『お嫁さんにしてくれますか?』と訊きかけて、やめた。先輩は私をぎゅうっと抱きしめた。
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