第52話 プレゼント

俺はレオンが出た扉が完全に音を立て閉まったのを確認してたっくんの方へ顔を向けた。


「たっくん、いいんだよ?仲良くしても。」


「俺は俺のやるべき事をしないと。」


「今回はレオンはあまり話には関わってこない。だから、いいよ。」


「でも、少しでも変えるともしかしたら。」


「そっか、そうかもしれないな。でも、あそこまで無理やり喧嘩ふっかけるようなこと拓はしないよ?あと、ポロリと言っちゃいそうだったでしょ?たっくん。そうなるくらいなら仲良くしてみなよ。意外と大丈夫かもよ?」


「あっくん…、ごめん。レオンが急に来たからびっくりしてつい。」


「うん。ごめんね、戻るの遅くて。」


「ううん。てか、ほんと良かったよー!何もされてない?」


「大丈夫!!別の意味でやばいけど!」


俺はついポロッと出た。


「え?」


「え?」


「何がやばいの?」


「…あはははは。」


「あっくん!?」


それからのたっくんは質問攻めで俺に詰め寄ってきた。

事情を話し、どうしようか悩んでいるとコンコンッとドアをノックする音が響いた。


「失礼します。新先輩、これどうぞ。」


そう言って入ってきたのは優斗君だった。

渡されたものを受け取る。

茶封筒で封を開けて中身をちらっと確認すると俺は咄嗟に中に戻した。


「えっと、これは?」


「兄さんがさっき先輩へ渡しそびれたプレゼントだって言ってました。僕も中身は知らないですけど。」


「あ、そうなんだね。ありがとう。」


「はい。では、失礼しました。」


にこにこしながら出ていった優斗君。ただただ可愛い。


ってそうではなく、俺はもう一度茶封筒の中身を取り出して今度は目の前に広げて見た。


たっくんも気になって覗いてくる。


するとたっくんは真っ青な顔になり俺を見た。

そりゃそうか。

だってこれ、俺が催眠魔法をかけている時の写真だ。

思わぬプレゼントをもらったな。

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