第51話 お客さん

風紀室にたどり着き足を止める。

なぜかって?

そりゃぁ、中から争ってる声が聞こえるから。


「おっ前は!ふざけんなよ!」


「はぁ?俺何かしたかなぁ?」


あー、

レオンとたっくんが喧嘩してるー。

めんどくさいー。


「たっくんが俺の事嫌いなのはわかってるけど、理不尽にキレられる意味がわかんねーよ。」


「俺だって!」


あ、まずいやつじゃないかなこれ。


「好きで嫌ってんじゃないんだよ!!」


「…は?」


あー、助けに行くか。


俺は扉を開け中に入る。


「お待たせー!待ったー?」


「あっくん…、おかえりー!大丈夫だった?」


「大丈夫だった!!」


「そっかぁ、良かった。」


「で、何してんの?」


「あ、えっと、これは…。」


「たっくんが急に突っかかってきたんだけど?ちゃんと躾なよあっくん。」


「レオンじゃないかい。ごめんごめん。ちゃんと言っておくから、で、何か用事?」


「あ、そうそう。医療研究部の部費ってか研究費?もうちょっと増やして欲しくて交渉に来たんだけど。」


「あー、そういうのは生徒会の仕事って知ってるでしょ?」


レオンは医療研究に大きく関わっており学校にレオン専用の研究室があるくらいだ。

それは部という形で存在しているがもうこれは開発チーム、プロと言ってもいい。


部員も優秀な生徒ばかりで色んな薬を開発してきた。


「あ、そうじゃなくて、魁斗に取り合って貰えないかなって交渉。部費とかの精算は生徒会の仕事って言っても、風紀も多少なり関わってるだろ?最終的な承諾は生徒会と風紀の両方がないと降りないしな。」


「あー、そういう事ね。いいよ。レオンの研究は将来有望必要不可欠なものになるだろうし。俺としてはもっと研究に専念してもらってもいいと思うけどね。」


「そう言ってくれるのはあっくんだけだよ。ありがとう。てことで、よろしく言っといてね。俺今からちょっと予定があって。」


「はいはい。今度は何組?」


「残念。先生なんですよ。」


「教師に手は出さないでよー。」


「俺からじゃないし。あっちから出てきたの。」


レオンは来る者拒まずだから、タイプとか気にしない。自分より歳上だろうが、ガタイが良かろうが、なんでもいいのだ。


まぁ、そんなんだから研究室に変人が集まるんだろうけど。


「程々にねー。」


レオンは苦笑いしながら風紀室を出ていった。


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