第42話 前夜
俺たちは今度は原作通り杏様をいじめることにした。
途中までいじめて、ある程度安全圏に入った時にまた仲良くなろうと思っている。
1ヶ月過ぎるのはあっという間で俺としては早く杏様に会いたかった。
最後に見たのは杏様が寂しそうに俺を送り出す姿だったから少しだけ胸につっかかりがあった。
前日に少しソワソワしているとたっくんに緊張感無さすぎって怒られた。
仕方がない。
俺の最推しなんだから。
ゲームをプレイした時一目惚れしたんだから。
あ、恋愛的好きでは無いよ?
ただ、やっぱり生で見るとこう、くるものがあるというか、でも、やっぱり前回の時のように友達になって一緒に遊んだりしたいのが本音。
ただ、俺の中ではやっぱり原作通りに進めなかったからバッドエンドに最速で行ってしまったのではと思っている。
あと、他のキャラクターを杏様に近づけないようにした方がいいだろう。
それだけ頑張れば、今回はハッピーエンドにいける。
「明日だよ。あっくん。」
「うん。頑張ろうたっくん。」
その日は2人で鍋をした。
あの楽しかった日を思い出すために。
覚悟のために。
肉を食べるために…あ、これはちょっと間違えた。
まぁ、とりあえず、俺たちは決意をして明日に望むため早く寝ようとまたたっくんは俺のベットで寝た。
なんか隣にたっくんいるのが当たり前みたいになってきて自分でもびっくりしている。
この1ヶ月ほとんど俺の部屋で過ごしていたたっくん。
いや普通に楽しいからいいけど、同棲かってレベルだった。最近では玄関通る時ただいまって言って入ってくる。
逆にそれがありがたかったし、たっくんなりの気遣いだったのは分かっている。
明日からの生活は俺にかかっているというプレッシャー、それをたっくんは少しでも和らげようとしてくれていたこと。たっくんはほんとに優しい。
それに応えるためにも明日からは気を引き締めて頑張る必要がある。
そのためには今日はもう寝るとしよう。
俺はそのままたっくんの横に寝て目を閉じ数秒も経たないうちに眠った。
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