第33話 決断
「あっくん!教会は危ない!」
「え?」
俺とたっくんは現在急いで教会に向かうため、空を飛んでいた。
正直怖かった!!
けどこの世界では当たり前だし、この間の訓練の時も少し飛べた。と思って余裕かましてたら自分が高所恐怖症なのに今更気づいて、たっくんにそれを言ったら抱えられた。
つまり俺は今たっくんの小脇に抱えられてる状態である。
これはこれですごく怖い。
「あっくん!教会はこの後敵に襲われる!」
「でも、魁斗が教会にいる!!助けなきゃ!」
「あいつは1人でも何とかできる力がある!!けど俺達にはそんな力は無い!!」
「でも!!」
「大丈夫!!あいつは神の使いだ!!」
俺達が言い合っていると再度大きな音音が響き渡った。
振り返ると学校の真上から大勢の敵が侵入して学校を攻撃していた。
「あっくん、戻ろう!!」
「ダメ!!このまま魁斗の所に行かないと!」
「あっくん!!みんなを守らないと!」
「伝えなきゃいけないことがあるの!!もしかしたらこの先の未来を変えられる第1歩になるかもしれない!!」
「…だめだよ。戻ろう。」
たっくんは1度考えたもののそのまま俺を抱えて引き返し始めた。
だめだ。このままでは、この敵襲の数は終盤の時の戦争と同じ状況だ。
そして、職員室でさっき見たことを魁斗に伝える必要があった。
そうしなければ、この国は多くの犠牲者を出すことになる。
俺は必死にたっくんの腕の中で抵抗しながら訴えた。
「たっくん!今この国の最前線には…。」
「わかってる!!わかってるから!!でもそれは、俺たちの仕事じゃないでしょ?今は学校を守ることを優先にしないと…。」
俺はたっくんに言われ冷静になりそのまま大人しく学校へ戻った。
学校へ着いて地下へ行くと、みんな脅えて、中にはないている子さえいた。
俺だって泣きたい。
こんな状況想定外だ。
俺は地下の扉を氷で固め、バリケードを作った。
既に屋上には数十人の敵がいるだろう。
俺は今後の対策を考えていると杏様達が駆け寄ってきた。
「遅かったな。」
「ちょっとね。」
「外は大変なことになってますね。」
俺は原作のストーリーを思い出す。
この戦争で新は事故に見せ掛け杏様に攻撃を当てた。
それは見事に直撃して杏様はしばらく昏睡状態になる。
そして新は追放、もしくは処刑だ。
俺は迷っていた。
このまま原作通りにすれば少なからず俺以外は生きている。
だか、もしその通りにしなかったら…もしかしたら…なんてことがずっと頭にあった。
ただ、俺は考えないようにしていたが、ここまでストーリーが進んでしまったのなら無視はできない問題になった。
俺は覚悟を決めルートを選んだ。
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