第32話 変わり始めた日常
訓練は午前に2時間、午後に1時間行う。
その他の時間は普通の授業だ。
俺は魁斗とよく一緒に行動するようになった。
もちろんたっくんも。
お昼ご飯は前みたいにみんなで屋上で食べることにした。
少し人数が増え、俺、魁斗、たっくん、レオン、優斗、紅秋、そして、杏様。
そう、ゲームの主要キャラ全員が今笑いあってご飯を食べる仲になっていた。
訓練が始まった初日の夜、レオンが話したいと言ったため部屋で待っていたが、日付けを超えても来なかったため結局話が出来なかった。
その後は訓練と風紀の仕事、唯一話せる昼はみんないるため二人の時間が取れずもう1週間が経った。
今日も今日とて楽しくみんなで昼ごはんを食べていた時、大きな音が鳴り響き地面が揺れた。
「今の音って…。」
「敵襲だね。ちょっと僕見てくるよ。」
「俺も一緒に行くよ。」
俺と魁斗は立ち上がり急いで階段を降りて職員室へ向かった。
職員室には国の現状を見れるモニターがいくつかあって、危険な時に備えられるよう常に誰かが見ていた。
だが、俺達が行くとそこには誰もいなかった。
学校から先生達が消えた。
俺達はモニターを見て状況を把握しようとしているとそこには戦う先生達の姿が映っていた。
「先生達が全員戦場へ出てる!僕は教会に行ってくるから、新は学校内にいる生徒達を見ててくれ!」
「え!?ちょっと!」
「任せたよ!」
任せたって何!?
俺は混乱していた。
戦争が始まるのが早すぎる。
やはり原作よりもかなり早いスピードでイベントが起こっている。
この調子だと、俺の寿命も短いかもしれない。
「新!」
職員室のドアが勢いよく開き、杏様が駆け込んできた。
「杏?どうしたの?」
「まずい。防御壁が破られている。このままだとこの国に敵が入ってくる!しかも、破られたのは学校の真上だ。」
「あぁああ!!もうっ!!次から次へと!杏、とりあえず校内の生徒を地下へ連れて行って!あ!たっくんとか他の人にも誘導するように言って!1年優先で避難させてね!」
「わかった!新は?」
「俺はもう少しここで見てるから!」
「気をつけて。」
「杏も。」
そう言って別れると直ぐに校内の防犯カメラに生徒たちが地下へ行く様子が映った。
「よしっ!俺も行こう!」
新が死ぬのは終盤。戦争がもっと本格的になってきてからだ。
今はまだ死にはしない。
俺はそう判断し外へ出て魁斗を追い教会へ急いだ。
その間たっくんと合流したっくんも一緒に連れて行った。
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