第25話 勝敗
この一週間色んなことがありました。
衝撃の事実がわかったり、模擬戦したり、怒られたり、テストでは全力で勝ちに行くつもりで、必勝ハチマキなんかも作っちゃって、たっくんに背中叩いてもらったり、杏様にご飯あーんしてもらったり…
「新、逃げてばかりじゃダメだよ?」
この悪魔と賭けをしたと思うと俺はとんだバカだったんだと思う。
模擬テストが始まり俺は当然魁斗と当たった。
開始の金が鳴ってすぐに魁斗は全力で攻撃してきた。
そりゃもう当たれば即死するくらいの威力の技ばっかり!!
霊力にも限りがあるが魁斗はバケモノだ。
全くバテないし、インターバルも0コンマの世界だ。
「たっくんの嘘つきー!!隙どころか当たりにすらいけないんですけどおぉぉおおお!!??」
俺はたっくんの方を見るとたっくんはてへぺろ♡な感じで舌出して頭コツンしてた。
可愛いな畜生!!
結果俺は今必死に攻撃を避けていた。
「新、これじゃあ僕が勝っちゃうなぁ。」
「魁斗、一旦ストップ!!それガチで死んじゃう!!」
「手加減したらわざと当たりに来るでしょ?それだと僕が負けるからね。」
「作戦読まれてるー!!」
「もちろん。あ、あと、僕が勝ったら新にはしばらく生徒会に回ってくる仕事をしてもらおうと思ってるから。」
「無理ですぅ!!今でもいっぱいいっぱいなのに!!」
「じゃあちゃんと勝たなきゃね。」
笑顔でバリバリ攻撃してくるくせに!!
俺は攻撃をしばらく避け続け弱点をさぐった。
そしてあることに気づいた。
攻撃をする時わずかだが、左肩が上がっている。
もしかすると…
「ねぇ魁斗!攻撃やめた方がいいんじゃない?」
「どうしたの急に。」
「左肩。」
それだけ言うと微かに魁斗の攻撃の手が止まった。
それを狙った俺は一気に間合いを詰め魁斗に攻撃する。
だが、それは軽々と避けられた。
しかし、そこからは俺の攻撃を魁斗が避ける形になった。
俺は攻撃の全てを魁斗の左肩に集中させる。
「クソっ!」
「猫が取れてますよ〜会長〜。」
「うっさいなぁ!」
魁斗は攻撃を左肩に当たらないよう、負担をかけないようにする動きが多くなり結局俺が壁際まで追い込んだ。
「やっと、チェックメイト。」
「ちっ、おい、賭けの話を少ししようか。俺は具体的に何をすればいい。」
「負けを認めたら話してあげる。」
「じゃあいいや。」
「でも、魁斗にとってもいずれ必要になることだよ?」
「どういう意味だよ。」
「スキあり〜。」
俺は魁斗が一瞬反撃しようとしていた手を下ろした所を見逃さなかった。
氷で作った剣を魁斗の首元で止める。
「そこまで!!」
先生の声が響いた。
勝負は俺の勝ち。
「てことで、協力してもらうよ。19時に俺の部屋に来て。詳しく話すから。じゃあ。」
俺は呆然として動かない魁斗に手を振って訓練所を出た。
これで監視役は出来た。それも最強の。
あとは向こうの動きに合わせてこちらも動くだけ。
俺は絶対にしくじる訳には行かない。
何としてでも、杏様のBLライフを見届けて、俺も幸せになるんだ!
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