第24話 作戦は卑怯に

たっくんに魁斗との賭けのことを話したらいい案だと褒めてもらった。


のはいいが問題は勝てるかどうか、いくら強い新でも魁斗には勝てないだろう。と思っていたのだが、案外そうでも無いらしい。


「いい?勝つにはただ1つ。卑怯になることだよ。魁斗だって人間だ、変な攻撃をすれば動揺して隙ができるはず。だから、そうだなぁ、例えば、ルールでは攻撃は寸止め、当たったら減点される場合もあるよね?そこで、わざと当たりに行ったりするのはどう?」


こういう時のたっくんは頭がキレる。


「え、当たりに行くの!?痛くない?」


「ちょっとくらい我慢しなさい。」


「…」


「男の子でしょ!」


「え?…うん。わかった!頑張る!」


魁斗の精霊は光属性。

下手をすれば大怪我になり得ない。


「まぁ、大怪我したらレオンに見てもらいなよ。アイツ治癒能力だけはこの学校一だからね。」


「なんやかんや言って、たっくんってレオンのこと好きだよね。」


するとたっくんが笑顔で頭を叩いてきた。


「えぇっ!!いったぁ!!何すんの!?」


「次そんなこと言ったら髪の毛全部燃やすからぁ。」


「あ、はい。すいません。」


たっくんにレオンの話は二度としないように誓った。


「で、杏をどうするかってのも残ってるけど。」


「本人に聞くのは?」


「ばか!敵のスパイの可能性だってあるでしょ?」


「うーん。無いと思うんだけどなぁ。」


「証拠がない。」


とは言えど俺は原作を知っているため敵でないことは分かっている。

ただ証拠がないと言われればそれまでなので杏様の疑いを晴らしつつ生い立ちなどをもう一度調べた方がいいかもしれない。とはと思うものの、なんせ俺には時間が無い。


風紀の仕事が山のようにあるから。


てか魁斗はいつも仕事が早いんだよ!

もうちょっとゆっくりやってくれれば風紀の仕事もゆっくり出来るのに。


「あ、じゃあたっくん。杏の生い立ちを調べて。魁斗は調べたって言ってたけど、嘘の情報の可能性もあるし。」


「まぁ、何も出ないだろうけど一応調べとくよー。」


「よろしくね。」


俺たちはこの日の夜も寝ずに…のつもりだったがさすがに寝た。

たっくんも俺の部屋で寝ることになり次の日、朝迎えに来た杏様の拗ねた姿が可愛くて2度寝することになった。

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