第15話 サボりましょう

「だから言ったじゃん!!」


「いやいや、新も寝坊してたじゃ〜ん!」


「俺は起きてた!」


「2人とも、早くしないと置いていくぞ。」


「準備早くない!?」


「5分もあれば…。」


「あっくん無駄口叩いてる暇あったら手動かしなぁ。置いてくよ?」


「え、ちょっと待ってよ!」


はい。絶賛寝坊しました。

3人とも寝坊しました。


それでも杏様はさっさと支度を済ませ優雅にコーヒーを飲んで待っている。


「大丈夫だ新。怒られる時は3人一緒だ。」


「杏が諦めモードだよぉ。」


俺は急いで支度をして杏が飲んでいるコーヒーを1口貰いカバンを手に取り、ついでにゆっくりとコーヒーを飲んでいた杏の手も取り、慌てて靴を履いて部屋を出る。


「最後に教室に入ったひと、今日の昼奢り!!じゃあよーいドン!!」


俺は2人を置いて走り出す。


「え、あっくんそれ自分が一番不利なの知ってる?」


「え?」


たっくんにそう言われ思わず止まって後ろを見ると、2人の姿が無かった。


「新、俺たちは飛べるんだぞ?」


「え、ちょっと!ずるい!!」


「飛んじゃダメって言わなかったあっくんの負け〜。」


そう言って2人学校へと飛んで向かった。

あっという間に2人の姿はなくなり、1人で走って行くことになった俺は新は体力がないということを新たに知ることになった。


…あらただけに。


やめよう…


そして、遅刻決定のチャイムが聞こえてきて俺は走るのをやめた。

どうせ遅刻するならゆっくり行こう。

なんなら、1時間目の授業サボってみようか。


本当の新なら絶対にやらないであろうサボり。

今なら絶対にできないこともできそうな気がする。

例えば…世界征服とか…しないけど!


(今日の俺って無敵だね!)


『新、今日は一段と霊力が安定している。何かあったのか?』


(そうなんだよ。昨日杏様と一緒に寝たから、気分がいいのかも。)


『…そうか。』


それ以降クロノは話さなくなり俺は学校と逆方向へ足を向け念の為たっくんに連絡を入れて以前3人で見つけたサボりスポットへ向かった。

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