第10話 友達になれた
俺の部屋の前に天使がいます。
ウトウトしながら座り込んでいる杏様を眺め始めて早1時間。
思考がブラックアウトしていた。
「うへぇ…寝顔も天使かよ…。」
思わず写真を撮ってしまう。
「後で現像しとかなきゃ…。」
少しずつ冷静になってきてやっと考えることが出来た。
なぜ杏様は俺の部屋の前に座り込んで寝ているのか。
何かあったのか。
とりあえずそっと杏様に近づくと半径2メートルくらいに入った時杏様は一瞬で立ち上がり俺の手を掴んでいた。
「きょう…さま?」
あまりの速さにまたもや思考が止まった。
というか、
杏様が俺の腕を掴んでらっしゃる!!
「あ、すまない。痛かったか?」
「そんなことないですよぉ。うへへ。」
慌てて腕を離した杏様に喜びの舞をしながら答えた。
「あ、そうか…ならいいが…。」
「ところで、何故俺の部屋の前に?」
「あぁ、食堂でのお礼を兼ねて、これを届けに。」
杏様が差し出してきたのは、そう、あの、家庭料理とうたわれ日本人が最も愛する料理、
肉じゃが…
だった。
「え、これ杏様が?」
「あぁ、味は保証する。あと、その様というのはやめてくれ。友達なんだし…。」
「え?あ、友達?え?」
「嫌だったか!?すまない!」
「いやいやいや!ぜんぜん!嫌じゃない…です…。」
やっべ、涙出てきた。
「なぜ泣く!?大丈夫か!?」
俺の背中を優しく叩いてくれる杏様。
まさか、推しと友達になれる日が来るなんて…
「と、とりあえず、お茶飲んで行かない?杏。」
「あぁ、お邪魔する新。」
お友達ってサイコー。
2人で仲良く俺の部屋に入った。
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