第9話 キャラ被り
部屋を追い出されしばらく唖然として立っていると後ろから声がかけられた。
「新先輩?」
「あ、優斗君…。」
「えっと…、兄さんに用ですか?」
「あ、いや、今終わったとこだから。」
この子は一つ下の魁斗の異母弟の皇妃 優斗(すめらぎ ゆうと)で、唯一新のことを好きだったキャラだった。
でも、新に告白し酷く振られた優斗は杏様に慰められ少しずつ杏様に惚れる…。
いわゆる攻略キャラの1人である。
「新先輩?どこか悪いとこでも?部屋まで送りましょうか?」
「大丈夫。ありがとう。」
俺は早足で優斗の横を通り過ぎた。
この子は、新のライバルでもある。
なぜなら、
「うっはぁ…優斗君可愛ええ…。おめめくりくり。でも身長高めで王子様って感じ…さすが魁斗の弟…。でも、新とキャラ被ってんだよなぁ…。」
そう、水と氷の精霊使いが同時に2人も出てしまったため新は優斗のことはライバルとしか見ていなかった。
むしろ優しい優斗にイライラしていた。
「好きな人のためになんでもできる子なんだよね。ヤンデレ気質…。新もなんだよなぁ…。まぁ俺が新として生きるからにはヤンデレなんてならないと思うけど。」
俺はヤンデレ系のBLは苦手なんだよ。
優斗の接し方に迷いながら歩いていると自室に着いた。
ドアの前に人影が見え駆け寄るとそこには杏様が座り込んでいた。
あぁ、つむじがかわゆい…。
俺は五分ほど座り込んでこちらに気づかない杏様を程よい距離を保ったまま眺めていた。
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