スキル発動!その名は努力-2
文字を覚えるチャンスだ!
父さんはそれから毎日本を読み聴かせしてくれた。
まだ早いと言っていた母さんも結局一緒になって読んでくれている。
本の内容は所謂勇者の冒険譚で、一人の勇者が幾多の困難に立ち向かい、お姫様を救ったり、悪い竜を倒したりと言ったオーソドックスな物のおかげで物語は頭に入り易い。
両親が読むのに合わせて文字を目で追う、これをとにかく繰り返し続ける。
まだ自力で本を開く事も出来ないので費やせる時間は寝る前の1時間程度。
書いて整理し覚える事も出来ないので、その場で記憶するしか無い。
ハッキリ言って目と頭が滅茶苦茶疲れた。
しかしやれば出来るもんだ。
一ヶ月程同じ本を繰り返し読んで貰った。
読み聴かせをねだるのは簡単だったよ。
読んでくれるまで泣き止まなければ良い。
父さん母さんゴメンね!
結果その本に出て来る文字は一通り覚える事が出来た。
つまりオレは生後2ヶ月行かない内に言葉と文字をマスターしたのだ。
控えめに言って天才じゃね?
まあスキルのお陰なんですけどね!
さてここまで来るともっと色んな物を読んだりしたくなって来る。
具体的には母さんの持つ魔法に関する書物だ。
折角剣と魔法の世界に来たんだからどっちも使ってみたいじゃない?
剣は身体が育ってからじゃ無いと無理だが
魔法はどうだ?
文字が読めて言葉を発せられるなら使えるんじゃないか?
だがまだ身体を自由に動かす事が出来ないため書物を盗み見する事も出来ない。
頭の中は努力で成長させられても身体の成長までは自然に任せるしか無い……のか?
本当にそうか?
そう思い込んでいるだけで、努力次第では動かせるんじゃないか?
つまり動かせないのはスキルが発動するに足る努力に達していなかっただけ……
そうに違いない!
何せオレのスキルは『努力すれば何でも出来る』スキルなんだぜ。
よーし次の目標は自由に動けるようになる! だ。
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