出張死神-2
「犯罪者みたいじゃなくて犯罪者なんです!
知りませんでしたか? 自殺は罪なんですよ! 貴方は前科一犯です!」
あ〜確かに何かの宗教では自殺は大罪って言ってたような。
無神論者なんであんま詳しく無いけど。
「貴方みたいに身勝手な人のせいで私達がどれ程苦労しているか!
残業は嵩むし、過酷な労働環境から離職率も高いしで、ほんと迷惑してるんです!
私達からしてみれば、立派な犯罪者です!」
『そっちかよ!
宗教的なアレコレじゃ無いんかい!』
「そんなの関係有りません!
私の研修旅行を返して下さい!」
『知るかー!!』
なんかもうすげー疲れたわ。
とにかく纏めるとコイツはオレが死ぬまで一緒に居るって事らしい。
なにそれプロポーズかよ。
しかも研修52年って長すぎね?
「ププププロポーズとか何言ってるんですか!?
バカなんですか!?
あくまで仕事だからです!」
真っ赤になって比定された。こいつピュアか?
「それと時間の感覚が違うんですよ。
あっちでは大体の事を100とか1000年単位で管理しますから」
あ〜そう……
もうスケールが違い過ぎて感覚が追いつかねーよ。
「それと先程は感情的になって寿命52年と言ってしまいましたが、これに付いては訂正させて下さい。
正直な所ハーフエルフと言う存在自体、殆ど前例が無いため正確な寿命はわからないんです。
なので今後の生活状況を見ながら再算出していく事になります」
なる程〜正直そこまでレアケースとは思ってなかった。
『でも、もしオレの寿命がエルフ並みだったら、お前もずっと帰れないじゃん』
「そうですね。
ですが病死、事故死、他殺等は寿命に含まれますので、永遠に行き続けるのは難しいと思いますよ?」
顎に人差し指を当て少し頭を傾けたあざといポーズでサラッとすげーこと言いやがった。
何それ聞いてない。
じゃあ最初に言ってた52年ってのも最大でって事?
いやまあ、前世では最後の瞬間まで予知だか予定されてたから決まってたんだろうけど……
まあ良! 今からそんな事考えても仕方が無い、オレはオレの第二の人生を謳歌する事に全力を尽くす!
『ところで何で
普通異世界って不思議な力で言葉解ったりしない?』
「え? だって転生ボーナスに含まれていませんでしたから」
いやいやいや、おかしいだろう。
言葉も解んないでどうやって生活しろと?
「そもそも貴方は現在生まれたての赤ん坊です。
赤ん坊がいきなり言葉を理解しますか?
これから学んで行く事ですよね?
それに貴方には『努力すれば何でも出来る』スキルが有りますよね?
なら努力して下さい」
お、おう凄い正論を吐かれた。
確かにコイツの言った通りだ。
ちょっと異世界ってんで浮かれてたかな?
『そうだなお前の言う通りだ。
よし!明日からバッチリ頑張ってやるぜ!」
「そうですその意気です!
あ、上手くいかなかったって自殺はダメですからね」
一言余計なんじゃ無いですかね?
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