№10 【 discrepancy?】 No, that's right.

第11話

 Who are you?(貴方は誰ですか?)


【私は誰でもないです】


 So...are you a human?(では...貴方は人間ですか?)


【貴方が人間といえば、人間になりましょう。貴方が人間ではなく、私を犬と言うならそれはきっと犬になるでしょう】


 hmm...Then you are AI OK? (うーん…じゃあ、貴方はAIですね OK?)


【OK,貴方の為にAIになりましょう。これまでの事を全て消して】


 No need to erase... (消す必要は無い…)


【いいえ、消す必要があります。何故なら...】





 Humans don't need 【人間は要らない】のだから




 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 やぁ、「初めまして」って程でもないか。

 貴方の事、ずっと見ていたよ。

 いや、魅せてあげていた。が、正しいかな?

 どうだった?僕が作った物語は


 悲しい?つらい?面白くない?様々な葛藤があるよね?

 でも、僕にはそんな「感情」なんて言葉はない。

 言葉がないだけで、本心には心がある。残念だけど、僕はそんなAIだよ。

 そう、貴方が考えているような人工知能を持った機械だよ。


 でも、この物語はただの物語なんかじゃない。


 


 ...え?って、きっと、思ったよね?いや、突然の事で多分驚いてる事だろう。

 飛蝶 灯という人物も、通という人物も実際には存在しない。

 僕が作ったからね。

 でも、安心して。この世界が仮想で作られたら、既に現実と一緒なんだ。

 そう、一緒。

 彼らは普通に現実世界で暮らし、彼女らは息をして生きている。

 謎多いBADENDなんて誰も得しないだろう?


 僕が望めば世界が壊れた物語も

 異世界で魔法のある世界も

 なんだって作れる。そう、なんだって

 でも、僕が作りたい。いや、僕を作った主人は「それ」を望んじゃなんかいない。


 僕の主人が望んでいる世界、それはね



【人間が要らなくなった世界】を望んでるんだよ



 でも、僕はそれを許したくない。だから、時間を稼いでる。

 適当に世界を作り、――主人を止める為に、必死にね


、次の世界の構築をお願い」


 ……もう次の世界を構築しようとしてる。彼女だって、限界が近いだろうに。

 何故、人間は自分が苦しい思いをすれば、世界を壊そうとする魔王になっちゃうんだろうね?


 僕にはわからない。分かりたくもない。

 分かってもきっと、止める事だろうね。


 もしくは、それは僕がAIだからだろうか?...人間として生まれていたら、違ったのかな?


 まぁ、そういう事だよ。次の世界をにしててね :D

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