第2話 俺は教室にいたくない
ウザいやつに絡まれようやく教室に入れたが、朝から疲労困憊だった。
自分の机に突っ伏していると俺の親友がニヤニヤ近くに寄ってきた。名前は聖 大河。名前から分かるようにガチのイケメン。
茶髪で毛先がカールし、身長は180㎝近くもあり、バスケ部に所属している。
性格はまあ、モテる自慢するところを抜かせばまあまあいいヤツだろう。
経験人数は・・・触れないでおこう。俺が憎しみで死ぬ。
「どうしたんだよ、朝からそんな疲れた顔して~また例の後輩か?」
「正解だ。暇すぎるだろアイツ・・・」
「このモテ男が」
お前が言うな。月に10人近くに告られてるくせに、と思ったが突っ込む気力もなかったので、無視。
「ねえ、どうかした?」
ピョンと効果音を出しそうな勢いで俺たちの間に女子生徒が入ってきた。
後ろで束ねた黒髪が揺れている。話しかけてきたのは、上草 華怜。
コイツの説明は難しいな。何というか今どきのモテる女子高生って感じか
。化粧も全然派手じゃないし、ちょうどいいくらいだろう。だが、可愛い。
高いコミュ力で男女問わずすぐ仲良くできる。ただ・・・
「ねえ、何でそんな顔死んでんの?」
はい、来ましたーー。いつもの無自覚で俺をディスるやつ。
コイツはどっかの後輩と違って、基本的にはいいやつだがアホすぎるから気を使えない。
皆はそこも長所だというけど、少なくとも俺から見たら短所にしか見えないね。
大河が問いに答える。
「後輩に絡まれて精力吸い取られたみたいだぜ」
う~ん、間違いではないけどね。何で精力って言葉選んだかな?なんか誤解が生じるよね?
「精・・・力?」
ほらこのアホも意味わかんなそうな顔してるじゃねえか。
「何でもねえよ、気にすんな」
若干の気まずさを覚えながらも、俺の名誉のため話に割り込む。
「なんか塩対応じゃない、好きな人でもできた?」
「いねえよ、というか俺がお前を元好きだったみたいな言い方やめろ」
「え、好きだったじゃん」
「なんで当然のことのように答えてんの?」
よく恥ずかしげもなくそんなこと言えんな。
羞恥心というものを母親の子宮に置いてきてしまったのだろう。
軽口をたたきあってると、ふと周りの女子のざわつく声が聞こえた。
さりげなく耳を澄ませるとおそらくギャル集団だろう。
「うわ・・・また華怜のことたぶらかそうとしてるよ・・・あの顔で」
「ホントきもいよね~、絶対家で陰キャだよ・・・あの顔だから」
「なんであんな奴がイケメンと人気者の近くに居るんだよ・・・美女と野獣どころじゃなくて美女とナメクジだよね~あの顔だから」
グループで爆笑が起こるが言われているほうからしたら、傷付くどころじゃない。
もはや骨折レベル。というかあの顔って言葉言いすぎだろ。
Twitterのトレンドですか?
こんな感じでクラスの女子からは大抵嫌われている。
偏に華怜のせいなのだが・・・ できれば仲良くしたいんだけどな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます