ぷに んちょ 敗北

「あ、ん、」


若い女の嬌声が小屋の中から漏れ出てきた。


数ヶ月前に集落が壊されたときは、どうなるかと思ったが、3人の美少女がこの集落に住むことになった。かわいいは正義だ。全てを許そう。はじめにカシラが出会った赤髪の女。自分よりも頭1つ分小さなだけで体は貧相。性格は粗野で自由人。不細工ではないが、時折小屋から聞こえる下品な笑い声はおそらく彼女のものだろう。ふたりめは黒髪の美女。とても知的な雰囲気でクールビューティー。ぜひとも彼女の膝枕で眠りたい。時折ドラゴンに乗って方々に向かっている姿を見るととてもかっこいい。踏んで欲しいお姉さま。最後の1人はめったにお目にかかることができないいつも小屋にこもっている金髪の美少女。この世のものとは思えない清楚さと、柔らかな笑みで男どもを魅了した。言葉を交わす事はなかったがおそらく性格はとても良いのだろう。


そんな彼女たちが小屋にはいってから数刻立っていた。その後カシラも中に。村の男たちはめったに集合することがない3人の美少女たちが小屋の中で何をしてるのか気になっていた。そんな折に商売から帰ってきた下っ端である俺が様子を見てこいと白羽の矢が立ったのだった。


小屋から漏れ出したおそらく黒髪の美女の普段聞くことのできない色っぽい声におれのハートビートはマックスに高まっていた。ちょちょちょちょっとお姉様方なにしてまんのん?おれも混ぜてくんなさい!


「ん、あん、ううん」


くそ、窓にはカーテンが貼られており、中の様子は全くわからない。今度は赤髪の魔女の声が聞こえてきた。正直こいつの声なんてどうでもいいんだ。お姉さんをだせ、お姉さんを。こんなことなら透視のスキルを身に付けておくべきだった。幼少期の自分をぶん殴りたい。中で楽しいことをしてるんだったら近づいても問題ないだろう。窓のすぐ下に行き耳をそばだてる。


「ほれほれどうだ、ぎゃはははは」

「んんんんんんーー!!!!」


下品な笑い声と悶絶するような声が聞こえてきた。俺の理性は崩壊寸前。一か八か突撃するしかあるまい。お姉さんを助けるためお姉さんを助けるため決してやましい事は無い。それに俺には子供の頃にしか太郎さんに教えてもらった魔法の言葉がある。


「ちわーーーす!!ん?!」


目の前に現れたのはゴツゴツとした男の尻だった。引き締まった筋肉に真っ白なふんどし。それのドアップが目の前に現れた。おばあちゃん俺死ぬんだ。


「ぎゃあああ目が腐るぅううう」


「ん?シンイリ?」


こやの中にいたのはカシラだった。もぐもぐとおいしそうに何かを食べる赤髪とぬるぬるの電球うなぎを持った金髪美少女と床で悶絶している黒い美女がいた。


いや?どんな状況?しかし思考は止まってしまう。がっしりと頭をホールドされた。たくましすぎる筋肉である。


「あれれおかしいなぁ。前が見えないぞ」

「誰のケツが目が腐るって」


村に響く声が1つ追加された。

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