にゅるにゅうぷにゅにゅ にゅるにゅう→十三激闘

集落の中央には広場がありそこに住民たちが集められていた。突然の笛の音に兵士たちが警戒する。リーダー格であるヒゲの男が部下に命令して様子を見に行かせる。


「くそっ、あの赤髪の悪魔め。あいつがいなかったら、戦うなり、隠れるなりできたのに」

ガタイの大きな男が苦々しくいう。

男たちの入ったスライムボールが集落の柵を直撃した。そのせいで目隠しの呪文が壊れ、隠れていた集落が現れてしまった。柵も壊れ、巡回中だった兵士たちになすすべもなく占拠されてしまったのだ


「頭は立派ですよ。俺は目を回してしまってまともに立つことすらできなかったから。あの状態で兵士を何人もなぎ倒せたのはすごかったです」

「そうっすよ。あの貧乳ちびのせいっす」


「おい、誰が貧乳ちびだ?」

底冷えのする声が聞こえた。男たちは背筋を凍らせて、あたりを伺う。でもそこには集落の仲間たち以外に誰もいなかった。

「ど、どこにいやがる」

「下だよ、下」

言うと、股の間から一本の棒が突き出していた。


「かしら!何興奮してるんすか」

「ばかやろう!おれんじゃない!これは…、スライムだ」

スライムが地面からニョッキリと生えていたのだ。スライムが小刻みに震えるどうやら声の振動を伝えているようだった。

「おっさんたち生きてたんだねよかった。」

「テメェのせいで、」

「あ?」

「あ、すみません」

「状況は?」

もみじは兵士たちの人数、位置や、武器など細かく聞いた後、

「兵士を追っ払ったら何とかなるんだよね」

「まぁ、それは」

「交渉しよう」

「交渉だと?」

「そ、私の生活が安定するまで集落で客人待遇で住まわせてよ。兵士を追っ払ってあげるから」

「な」

「どうする?」 

「…わかった」

「よっしゃあ、じゃあ兵士の気を引いてくれる?」

「わかった」


「あ、あいつをここに住まわせるんですか?」

「仕方ないだろう。このままいけば俺たちは殺されるか奴隷かなんだから。おーいあんた、兵士の人。すまねぇが便所に行きたい」

「そこでしろ」

「…」

「…」

「…」

「…スライムくん」

地面から生えたスライムがカシラのズボンの裾から中にはいる。




「おっほ!な、やめ!んひ!おりょ!やむんぐ。にゅはっ!」

ぬちゅぬちゅ!ぬちゅぐちゅみちゅ!ぶるんぐちゃまちゅにゅる!!じゅるるる!

服の上からわかる位、中で激しくスライムが動きまくる。

「な、なんだ!」

激しくのたうち回る男の姿を見て兵士たちは次々に武器を構える。


「あ、やめ、みないで!いやぁ!おっ!ブッひゅっあっ!やむ、やめ、いやぁ」


※おっさんである。


「ん、あ、そんなとこ、おっおっおっ」


※筋骨隆々のおっさんである。


「あ、あ、は、激しすぎ、」


※禿頭のおっさんである。


「おべぇえ」

そんなぬるぬるのおじさんの様子を見て次々に兵士が吐いていく。

おじさんがビクビクと痙攣する頃には、戦える兵士はほとんどいなかった。

「カシラすげぇ。兵士たちが地に伏している」

「カシラの威厳も地に落ちたがな」

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