。にゅるぽよんぱ ぶちゅるにゅるに→第十話這い寄る闇
木々を縫うように跳ねていく。
地面を跳ね、枝や幹の上も自由自在に
ベニョンっぶちょっびよ〜ん。
ベニョンっぶちょっ!
足の裏にあるスライムくんの粘性を高めて、落下を防いでいる。
「すごいですね。もみじさん」
バク宙をキメたところで山本が声をかけた。
「へっへっへーまあね」
ゲームなんてものは買ってもらえなかったので、遊ぶと言ったらもっぱら外で駆け回っていた。だからこそこういった障害物のある場所を走り抜ける事は簡単だった。
「新技とは。」
「未遂で終わったけど、今後どんな時に襲われるか分からないから、スライムを使ってできることをいろいろ考えてみたんだ。」
アルマジロ
全身を包んで砲弾のように飛ばす。あとは全身を防御することができる。
跳ねる人→ホッパー(バッタ)
召喚してすぐに使える。また改よりもスピードや跳ねる力はつよい。
跳ねる人改→ラビット
跳ねるように移動できる。粘度を変えることで天井にぶら下がることも可能。小回りが効き、3次元な動きができる分、スピードが落ち、操作難度が高くなる。また、防御力はほぼない。
「この辺りは移動手段や防御で考えた。」
まずは生き延びることが先決だ。だから逃げることや守ることを中心に考えたのだ。
「まさかスライムを従わせるのではなくて、ご自身で戦うとは。想像力は力ですか…ふふ」
「山本さんもしかして笑ったの?」
「私が笑う?…。気のせいでしょう」
「あとは攻撃手段。いまのところ2つ考えているんだ」
こっちの方が本命である。だがその自信作を披露することができなかった。
「!もみじさん!もみじさん見てください、火の手が上がってます」
「!!スライムくん急ごう!
ラビットから、ホッパーに切り替える。途端にスピードが上がる。
木々を抜けると、視界が開けた場所についた。
本来ならば猛獣などを避けるために作られていた柵が破壊され、見える範囲の家には煙が上がっていた。見張りなのかその柵の周辺に、兵士が5人いた。おそらくこの集落の住人ではない。
ホッパーのまま、飛び出したので、空中に弧を描きながら飛んでいく。
そんな突然の来訪者に向かって、弓矢が放たれた。
「
全身をスライムで包むことで矢を防ぐ。そのまま地面に着地した。
私に矢を放ってきた人間たちは鉄製の防具と兜を持ち弓を構えてこちらを狙っている。
「なんだこの女は!」
「先ほど空中から降ってきた男たちの仲間かもしれない。スライムを連れている。おい、お前魔王の手のものかっ!」
「女!お前の仲間たちは捕まえた。おとなしく投降しろ」
どうやら湖の男たちは無事集落にたどり着いたようだったが捕まってしまったらしい。小声で山本さんが話しかけてきた。
「もみじさんここは一旦引きましょう。あなたが最初にスライムを倒していたら、この場にいる連中を一気に倒せたでしょうが、あなたは弱いし多勢に無勢ですよ」
「スライム君は倒さないよ」
でも、山本さんの言う通りだ。面倒な事になる前に逃げよう。自然体で自然体で。
「いやいやいや、私は通りすがりの美少女冒険者。兵士さん達の邪魔はしません。お仕事に励んでください」
触らぬ神にたたりなし。両手を上げて抵抗の意思はないことをしめして森へ入っていく。さらばおっちゃん達また会う日まで。
「どこが美少女だ!」
「森へ帰れ!芋女!わはははは」
私が尻尾巻いて逃げていく様を見て、気を大きくしたのか兵士たちがあざ笑う。
「今は我慢ですよ紅葉さん。聴いてます?もみじさん」
「見ろよあの頭血まみれだぜ。いや髪の色か」
「まるでトマトのようだトマト女」
1人の男が指を指して言う
「まな板みたいな胸だな。男かと思ったぜ」
「根性ねーなー」
「…おい」
「ちょ、もみじさん?!」
「スライムくん。
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