Drama 6. DIANA'S STORY in 1991
1991年 弘樹は、イギリスに留学し、その際、ヨーロッパを、ユーレイルユースパスで、1周する試みをした。
イタリア・ドイツ間の夜行列車のコンパートメント(椅子のある部屋)で、弘樹とダイアナ妃は、ダイアナチルドレンの仲介で、会って話をした。
二人は、いくつかの話をした。その中の、ビートルズの話をした1節である。
静寂の中、弘樹は、静かに声を出した。
「ダイアナ妃は、ビートルズの曲では、何が1番、好きなんですか?」
と、弘樹は、ダイアナ妃に聞いた。
ダイアナ妃は、静かな瞳で、少し間をおいて、こう言った。
「strawberry fields forever」
と、ダイアナ妃は、静かに答えた。
「僕は、the long and winding roadです」
と、弘樹は、言った。
そう言うと、弘樹は、静かに歌いだした。
♪ the long and winding road , it leads to your heart.
I love you Princess diana.
Even if it’s an unforgiven love. ♪
と、弘樹は、静かに、自分の思いを込めて、ダイアナ妃に、The long and winding roadを、歌詞を変えて歌った。
ダイアナ妃は、喜びの笑みを浮かべて、大きく拍手をした。
「You should be a singer.」
と、ダイアナ妃は、満面の笑みを浮かべて言った。
「 your second son should be a singer」
と、弘樹は、たどたどしい英語で言った。
「I hope it」
と、ダイアナ妃も、おどけた笑顔で言った。
「あなたは、私に何かしてほしいことある?今の歌のお礼に、あなたが望むことをしてあげるわ」
と、ダイアナ妃は、弘樹に、温かい瞳で言った。
「えー。本当ですか?」
と、弘樹は、考え込むと、ふと、思い浮かんだことを、口にした。
「ビートルズのロンドンでの屋上ライブを再現してほしいです。ビートルズをロンドンに呼んで、ビートルズのビルの屋上ライブをやってください。僕は、それをビルの下からみたいです」
と、弘樹は、ダイアナ妃に言った。
「impossible , now they are in america」
と、ダイアナ妃は、残念そうに言った。
「ダイアナ妃ならできますよ。ダイアナ妃から、声がかかったら、ビートルズも喜ぶと思います」
と、弘樹は、少し声を強めに、興奮気味に言った。
「あなたは、やる人です!絶対にやってくれます!!あなたに、無理なことはない!無理と思ったら、全部無理になります!あなたなら、やれます。あなたは、やる人です!」
そんな弘樹の、急ぐような語りに、
「やれるだけ、やってみるわ…」
と、ダイアナ妃は、少し、困り気味に言った。
「やったー!!」
と、弘樹は、両手を挙げて、声を上げた
それを見たダイアナ妃も、満面の笑みを浮かべた。
「I will do the best for you」
と、ダイアナ妃は、楽しそうに言った。
「no, no, for peace of the world」
と、弘樹は、高いテンションで、ダイアナ妃に言った。
「for peace of the world」
と、ダイアナ妃は、笑顔で、首を大きく縦に振って、弘樹と固い握手をした。
「ビートルズのロンドンでの屋上ライブを見たとき、いつか、ビートルズに憧れた日本の女の子とかが、ロンドンの屋上でライブする映画とか撮れるといいなって、思ったんですよ」
「So do i」(私もそう思うわ)
と、ダイアナ妃は、静かに微笑んでうなずいた。
「そんな、ロンドンの屋上でライブをする、日本とイギリスの懸け橋となる子が、近い将来に、日本から出てくるといいですね」
と、弘樹も、ダイアナ妃の微笑みに応えるように微笑んで言った。
「きっと、近い将来に、期待の天使が現れるとおもいますよ。」
と、弘樹は、静かに微笑みながら、静かに言った。
「その子は、まだ、産まれていない。きっと、これから生まれるでしょう。21世紀の希望になると思います。」
と、弘樹は、目を輝かせて言った。
ダイアナ妃は、弘樹の瞳をそっと見つめて、頷いた。
少しの静寂が、コンパートメントを包んだ。
暖かく優しい白い霧がかかるような空間が、感じれた。
その空間は、間違いなく、希望のあふれる21世紀に続いていた。
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