第三章:殺意の侵食
「いえ、本当に大丈夫ですから。あまり気を遣われると逆にこっちまで恐縮しちゃいますよ」
立場上仕方がないのかもしれないが、いい加減何度も頭を下げるのはやめてほしい。
世話になったお礼を兼ねてと言っているのだから、その時点で妥協してもらいたい。
「七見さんの悪いとこだよね。なんかさ、人に頼ったら自分が駄目になるとか思ってるよね絶対」
絵夢の返答にさらに萎縮した七見を、天寺は指さした。
「いや、そこまでは思ってないよ。ただね――」
「はい、わかりました。もう話はまとまったんだし、これで終わりにしましょう。ね?」
言い訳をするような七見の声を、神川が強制的に止める。
一瞬の間、七見は納得しきれない様子で神川を見つめていたが、小さく頷いて引き下がった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます