第三章:殺意の侵食
「え……、ちょっと待ってくださいよぉ。何かあったらって、それどういう意味ですかぁ?」
誰が見てもわかるほどに狼狽えて、日向は頭をはね上げるような勢いで天寺へ向けた。
「あたし、別に犯人から狙われるようなことは何もしてませんよぉ」
「そんなのわたしにはわからないわよ。あんたに心当たりなくたって、現に犯人はハンカチ盗んで罪を着せようとしてかもしれないんだよ? また狙ってくる可能性がゼロだなんて言い切れる?」
「それは……」
強い口調で反論され、日向はまた口をつぐんだ。
(何だか、警察の聴取が原因というより天寺さんの言葉のせいで泣きそうになってるような気がする……)
眉根を寄せ、途方にくれたようにアスファルトを見つめる日向にそんな思いを浮かべながら、絵夢はちらりと空を見上げた。
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