第三章:殺意の侵食

 その絵夢の返答に、一瞬霧洲の動きが止まる。


「それは、レイニーにも興味がないと言うことですか?」


「まぁ、ぶっちゃけるとそういうことになりますね」


「……本人たちが聞いたら、がっかりしそうですね」


「僕もそんな気がします。できれば黙っておいてほしいところですけど」


 言うと、霧洲は苦笑する。


「ええ、誰にも言いませんよ」


「助かります」


「ええと、光野さんたちと食事をされたそうですが、それは何時頃でしたか?」


 話を本題に戻し、霧洲は聴取を進める。


「確か、十一時頃に出掛けたと思います。こっちに戻ってきたのは十二時ちょうどくらいだったので、一時間は一緒にいたことになりますね」


「その食事中に、何か気になることはありませんでしたか? 殺害された二人の様子がおかしかったとか、どんな些細なことでも構いません」

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