第三章:殺意の侵食

「リハーサルとか、結構一緒にやってきたしね」


 草本の言葉に天寺が頷きながらそう付け足す。


「それじゃあ、みなさんそれなりに面識があったわけですね」


「うん。プライベートなことまではさすがにわからないけど、会えば話すくらいのことはみんなしたと思う。特に鈴水は光野さんに懐いてたからね。前回のライブで初めて会ったときは、握手やらサインやらいろいろねだってたっけ」


「日向さんが?」


 意外な情報に、絵夢は思わず聞き返す。


「そうだよ。よくわかんないけど、あの子手品とかに興味あるのかもね」


 もともと光野のファンだったのだろうか。


 好奇心が強そうな性格だから、純粋に手品に興味を持った可能性もある。


(人見知りしないタイプみたいだし、僕に接したのと同じようなノリで声をかけたのかも)

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