第三章:殺意の侵食
「それは……、わかりません。あたしはちゃんとバッグにしまってたんです。本当です」
「……今日はずっとそのバッグの中に?」
日向の後ろに置かれたバッグを指さし霧洲が問う。
「はい、使うときは普通に使いましたけど、それ以外はここにしまってました。この衣装、ポケットとかないですし」
自分の着ている衣装を摘まんでみせる日向。
「なるほどね……」
その様子を見つめ小さく数回頷くと、霧洲は他の者たちへ顔を逸らした。
「とりあえず、わかりました。それでは、これから個別にお話を伺わせていただこうと思います。この隣の部屋を使わせてもらうことになりましたので、一人ずつ順番に来ていただけますか」
「それでしたら、レイニーのメンバーから始めてもらえませんか? これ以上待たせておかれても可哀想ですし」
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