第三章:殺意の侵食
おそらく、的場がテーブルに突っ伏した際に床へ落としたものだ。
「このハンカチなんですがね、そのパソコンの下に落ちていたんですよ」
「え?」
ぽつりと、こちら側の反応を窺うかのように呟かれた霧洲の言葉に、日向の表情が固まった。
「パソコンの下にって……、日向ちゃん、あの控え室に入ったのかい?」
意外そうな声音で七見が訊ねると、日向は慌てたように首を横に振った。
「いえ、光野さんの控え室には一度も行ってないです」
「深玖ちゃん、的場さんが死んでるのを発見してから、日向ちゃんを現場に近づかせたりはしなかった? 部屋の前まで一緒についてきたとか」
突然話を振られ、一瞬びくりとした神川だったが、即座に頭を振って七見の言葉を否定する。
「いえ、それはないです。七見さんに控え室で待機するように言われてからは、鈴水はずっとここにいたはずです」
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