第三章:殺意の侵食
冷静に思い返してみれば光野が死ぬ瞬間を間近で見ていた可能性が高い。
と言うより、見ていたはずだ。
これは、この一時間の間にふと絵夢の脳裏に浮かんだ問題点の一つだった。
嶺垣はあの惨殺死体を実ははっきり見てしまっていたのではないか。そのうえで、無理に平然とした態度をとっているのではないか、と。
「ああ……、それなら心配しないでください。あたし、あんまりはっきりは見てませんから」
「見てない?」
「はい。箱が落下した直後はドライアイスが巻き上がって視界が悪くなりましたし、いきなり走り出した絵夢さんに気をとられたりしてたので。ただ、絵夢さんを追いかけてる途中で少し目に入っちゃいましたけど、恐怖よりびっくりしたって気持ちの方が強かったですね」
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