第二章:殺意の蹂躙

        【5】


 さぁ、ここからどうなるか。


 客席に警察がいたなどの小さな誤算はあったが、計画は順調に進んでいる。


 なんとかこの場をうまくやり過ごし、次のターゲットを狙わなくては。


(焦らずに、落ち着いて行動をしていかないと。大丈夫、自分はうまくやってる)


 光野も的場も、予定通りに殺すことができた。


 的場を殺した際に使用した凶器も既に処分は完了している。


 これに関しては、正直なところ賭けだった。


 今後、もし早い段階であの凶器が発見されるようなことになれば、私の計画はほぼ確実に失敗に終わるだろう。


(せめて二、三日だけでも良い。その間あれが見つからずに済んでくれれば、計画を全て終わらせることができる)


 スタッフや客の荷物、下水などに警察の目が向いてくれればまず見つかることはないと思うが、僅かに不安は残る。

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